愛用のギターやベースに付いた傷をきれいにしたい、あるいは思い切って色を変えてみたいと考えたとき、「ギター リフィニッシュ おすすめ」と検索する方は多いでしょう。
しかし、リフィニッシュとはどういう意味なのか、安い料金で済ませる方法はあるのか、ベースのリフィニッシュ料金はどのくらいか、信頼できる工房はどこにあるのか、特にヴィンテージギターのリフィニッシュはどうすればいいのか、など疑問は尽きません。
関東や東京でギター塗装の依頼を検討している方や、人気のサンバースト塗装に憧れている方、さらにはDIYで挑戦するためにギターのリフィニッシュに必要なものは何かを知りたい方まで、その悩みは様々です。この記事では、リフィニッシュに関するあらゆる疑問に答え、後悔しないための知識と選び方を解説します。
この記事のポイント
|
ギターリフィニッシュおすすめの基礎知識
|
「リフィニッシュ」とはどういう意味?
ギターナビ・イメージ
ギターのリフィニッシュとは、簡潔に言うと「再塗装」のことを指します。長年愛用してきたギターの傷や打痕を修復したり、全く新しいカラーに塗り替えて気分を一新したりと、その目的は様々です。単に見た目をきれいにするだけでなく、塗装の種類を変えることでギターの鳴り、つまり音色に影響を与えることもあります。
例えば、多くの量産型ギターに採用されているポリエステルやポリウレタン塗装は、塗膜が厚く硬いため、木材本来の振動をやや抑制する傾向があります。これを、ヴィンテージギターによく見られるニトロセルロースラッカー塗装のような薄い塗膜のものに変更すると、ボディの振動がより豊かになり、鳴りが向上すると言われています。このように、リフィニッシュはギターに新たな命を吹き込むための重要なカスタムなのです。
リフィニッシュの主な目的
- 傷や打痕の修復
- カラーリングの変更によるイメージチェンジ
- 塗装の種類変更によるサウンドの向上
- 世界に一本だけのオリジナルギター製作
言ってしまえば、リフィニッシュは愛器をさらに長く、より深く愛するための選択肢の一つと言えるでしょう。ただし、作業には専門的な技術と知識が必要なため、信頼できる工房に依頼することが成功の鍵となります。
ギター塗装依頼の前に知っておくべきこと
ギターナビ・イメージ
ギターの塗装を工房に依頼する前には、「現在のギターの状態」と「希望する仕上がりのイメージ」をできるだけ具体的に伝える準備をしておくことが非常に重要です。なぜなら、この事前のすり合わせが、後々のトラブルを防ぎ、満足のいく結果を得るための最も大切なプロセスになるからです。
例えば、「木目が透けて見えるシースルーカラーにしたい」と希望しても、元のギターが塗りつぶし塗装だった場合、塗装を剥がしてみないと下地の木材がどのような状態か分かりません。木材に塗料が染み込んでいたり、木目がイメージと違ったりすることもあります。また、深い打痕や傷は、完全に消すことが難しい場合もあるのです。
依頼前の確認事項
工房との認識のズレを防ぐため、参考になるギターの写真や雑誌の切り抜き、具体的な色見本などを用意して、イメージを共有することが不可欠です。これにより、職人も完成形を正確に把握でき、より理想に近い仕上がりを実現できます。
このように、依頼前の丁寧なコミュニケーションが、リフィニッシュの成否を分けると言っても過言ではありません。お互いのイメージを明確にすることで、安心して大切な楽器を預けることができます。
安い料金でリフィニッシュを依頼できる?
ギターナビ・イメージ
結論から言うと、相場より安い料金でリフィニッシュを依頼することは可能です。しかし、その価格には理由があることを理解しておく必要があります。リフィニッシュの料金は、作業工程の複雑さ、使用する塗料の種類、そして工房の規模によって大きく変動します。
例えば、元の塗装を完全に剥がさず、上から新しい塗料を吹き付ける「オーバーラッカー」という手法は、塗装を剥がす工程がないため比較的安価に済みます。ただ、この方法だと塗膜が厚くなり、ギター本来の鳴りを損なう可能性があるというデメリットも存在します。
個人で運営している工房などでは、ボディのリフィニッシュを35,000円程度から請け負っている例もあります。これは非常に魅力的ですが、必ずしも「安い=お得」とは限りません。仕上がりのクオリティやアフターケアなども含めて総合的に判断することが大切ですね。
一方、専門的な設備を持つリペアショップやメーカーでは、ボディの塗装剥がしを含めると安くても5万円以上、複雑な塗装であれば10万円を超えることも珍しくありません。そのため、単に価格だけで判断するのではなく、どのような作業内容でその価格が設定されているのかをしっかりと確認することが、後悔しないためのポイントです。
ベースリフィニッシュ料金の相場
ギターナビ・イメージ
ベースのリフィニッシュ料金は、基本的にギターとほぼ同等か、若干高くなる傾向にあります。この理由は、単純にギターよりもボディやネックの面積が大きく、使用する塗料の量や研磨にかかる手間が増えるためです。
具体的な料金は工房や塗装の種類によって大きく異なりますが、一般的な相場観を把握するために、いくつかの料金例を見てみましょう。
作業内容 | 塗装の種類 | 料金目安(税込) | 備考 |
---|---|---|---|
ボディのみ(ボルトオン) | ポリ塗装 | ¥50,000~ | 塗装剥がし費用は別途の場合が多い |
ボディのみ(ボルトオン) | ラッカー塗装 | ¥66,000~ | ポリ塗装より高価になる傾向 |
ネックのみ | オイルフィニッシュ | ¥11,000~ | 最も安価な仕上げの一つ |
全体(セットネック) | ラッカー塗装 | ¥91,000~ | 構造が複雑なため高額になる |
上の表はあくまで一例であり、塗装を剥がす費用(約3万円~)が別途必要になるケースがほとんどです。そのため、ベースのボディリフィニッシュを塗装剥がしから依頼する場合、最低でも8万円程度は見ておくと良いでしょう。もちろん、これはスタンダードな単色塗装の場合であり、サンバーストや特殊な塗装になればさらに料金は上がります。正確な費用を知るためには、必ず事前に工房へ見積もりを依頼してください。
DIYでギターのリフィニッシュに必要なものは何?
ギターナビ・イメージ
DIYでギターのリフィニッシュに挑戦する場合、正しい知識と適切な道具、そして作業場所の確保が不可欠です。手順を守れば個人でも可能ですが、仕上がりのクオリティは道具の準備と使い方に大きく左右されます。
主な工程ごとに必要となる道具は以下の通りです。
リフィニッシュの工程と主な道具
- 塗装剥がし:アイロン、ドライヤー、スクレーパー
- 木地調整(下地作り):各種サンドペーパー(#60~#2000)、との粉、ウッドシーラー、サンディングシーラー
- 塗装:ラッカースプレー(缶)、着色用ステインなど
- 研磨・仕上げ:耐水ペーパー、コンパウンド(細目~極細)、ポリッシャー、ワックス
特に重要なのが、塗料選びと作業環境です。ホームセンターで販売されている安価なスプレーの中には、乾燥が遅く塗膜が柔らかいものがあり、楽器の塗装には向きません。楽器用として実績のある塗料を選ぶことが重要です。また、塗装作業は塗料の粉塵が舞い、有機溶剤の匂いも発生するため、換気が十分にできる屋外や専用の塗装ブースで行う必要があります。火気厳禁であることは言うまでもありません。
このように、多くの道具と適切な環境が必要となるため、初期投資と手間を考えると、初心者の方がいきなり高価なギターで試すのはリスクが高いと言えるでしょう。まずは安価なギターキットなどで経験を積むのがおすすめです。
目的別ギターリフィニッシュおすすめ工房の選び方
|
信頼できる工房選びのポイント
ギターナビ・イメージ
大切なギターを預けるリフィニッシュだからこそ、信頼できる工房を選ぶことは何よりも重要です。価格の安さだけで選んでしまうと、仕上がりに満足できなかったり、後々トラブルになったりする可能性もあります。ここでは、後悔しないための工房選びの3つのポイントを解説します。
1. 実績と作例の確認
まず確認したいのが、その工房の実績です。ウェブサイトやSNSなどで、過去に手掛けたリフィニッシュの作例を公開している工房は多くあります。自分が希望する塗装(単色、サンバースト、特殊塗装など)に近い作例があるかを確認し、その仕上がりのクオリティをチェックしましょう。特に、写真が鮮明で、様々な角度から撮影されていると、仕事の丁寧さが伝わってきます。
2. コミュニケーションの丁寧さ
問い合わせや見積もり依頼をした際の対応の丁寧さも、信頼度を測る重要な指標です。こちらの質問に対して的確に答えてくれるか、専門用語を使わず分かりやすく説明してくれるか、そして何よりこちらの希望を親身になって聞いてくれるか、といった点を確認します。リフィニッシュはイメージの共有が不可欠なため、コミュニケーションが取りやすい相手であることが望ましいです。
見積もりの透明性
最終的な判断材料として、見積もりの内容が明確であることが挙げられます。「リフィニッシュ一式」といった大雑把なものではなく、「塗装剥がし代」「木地調整代」「塗装代」など、作業工程ごとの料金が明記されているかを確認しましょう。また、予期せぬ追加料金が発生する可能性についても事前に説明がある工房は、誠実で信頼できると言えます。
これらのポイントを踏まえ、複数の工房に相談し、総合的に比較検討することが、最高のパートナーを見つける近道です。
関東・東京エリアで相談できる工房
ギターナビ・イメージ
関東、特に東京近郊は、国内でも有数のギターリペア工房が集中しているエリアです。大手楽器店のリペア部門から、特定の分野に特化した個人経営の工房まで、その選択肢は非常に多岐にわたります。これにより、自分の目的や予算に合った工房を見つけやすいという大きなメリットがあります。
例えば、提供された情報の中では、以下のような工房が挙げられていました。
- yellowgem(東京・池尻大橋):個人のブログで紹介されており、突き板を使ったカスタムなど、柔軟な対応が期待できる工房のようです。
- Fab(東京・池袋):ヴィンテージギターの塗装技術にこだわり、ニトロセルロースラッカー仕上げなどを得意としていることが伺えます。
これらはほんの一例です。他にも「ギターリペア 東京」や「ギター塗装 関東」といったキーワードで検索すれば、数多くの工房が見つかります。それぞれの工房のウェブサイトで得意な作業や料金、作例などを比較検討してみましょう。
また、島村楽器のような全国展開している大手楽器店でも、リフィニッシュの相談が可能です。店舗に楽器を持ち込めば、専門のリペア工房へ送って対応してもらえます。近所に専門工房がない場合や、どこに頼めば良いか分からない場合には、まずはお近くの楽器店に相談してみるのも良い方法です。
サンバースト塗装をきれいに仕上げるには
ギターナビ・イメージ
ギター塗装の中でも特に人気が高く、同時に高い技術を要するのがサンバースト塗装です。サンバーストとは、中心から外側に向かって色が滑らかに変化していくグラデーション塗装のことで、その美しい仕上がりは多くのギタリストを魅了します。
この塗装をきれいに仕上げるためには、以下の2つの要素が極めて重要になります。
1. 職人の技術と経験
サンバースト塗装は、複数の色の塗料をスプレーガンで吹き重ね、その境界線を絶妙にぼかしていくことで作られます。色の重なり具合やぼかしの幅、グラデーションの滑らかさは、全て職人の腕一つにかかっています。特に、フェンダー社の「3トーンサンバースト」のようなヴィンテージスタイルを再現するには、長年の経験と美的センスが不可欠です。
色の再現性と調色
ヴィンテージのサンバーストは、経年変化によって赤みが褪色したり、全体的に黄色みがかったりします。こうした「味」まで再現するには、塗料の調色技術が求められます。依頼する際は、「The Beauty Of The Burst」のような資料本や、具体的なギターの写真を提示し、職人と色のイメージを徹底的にすり合わせることが成功の鍵となります。
このように、サンバースト塗装は単なる色の塗り替えではなく、芸術的な側面も持つ作業です。そのため、依頼する際は、サンバースト塗装の実績が豊富な工房を選ぶことを強くおすすめします。
ヴィンテージギターリフィニッシュの注意点
ギターナビ・イメージ
ヴィンテージギターのリフィニッシュを検討する際には、他のギターとは全く異なる、極めて慎重な判断が求められます。最大の注意点は、リフィニッシュを行うことで楽器の資産価値が大幅に下落する可能性があるということです。
ヴィンテージギターの市場では、「オリジナルの状態がどれだけ保たれているか(オリジナル度)」が価値を決める最も重要な要素の一つです。塗装に入った細かいひび割れ(ウェザーチェック)や傷、パーツのくすみなども、その楽器が経てきた歴史の証として「味」と見なされ、価値の一部となります。
リフィニッシュは最終手段
オリジナルの塗装を剥がして再塗装してしまうと、そのギターは「リフィニッシュもの」として扱われ、市場価値は大きく下がってしまいます。そのため、演奏に支障をきたすような深刻なダメージがある場合や、資産価値よりも自分好みの仕様で弾き続けることを優先する場合を除き、基本的にヴィンテージギターのリフィニッシュは避けるべきとされています。
もし、どうしてもリフィニッシュを行うと決断した場合は、その年代の仕様を正確に再現できる、高い専門知識と技術を持った工房に依頼することが不可欠です。例えば、50年代のフェンダーであれば、当時と同じニトロセルロースラッカーを使用し、その塗装方法まで熟知している職人を探す必要があります。安易なリフィニッシュは、取り返しのつかない結果を招くことを肝に銘じておきましょう。
まとめ:自分に合うギターリフィニッシュおすすめの探し方
- リフィニッシュはギターやベースの再塗装のこと
- 目的は傷の修復から音質向上まで多岐にわたる
- 依頼前には希望のイメージを具体的に固めておく
- 工房との綿密なコミュニケーションが成功の鍵
- 料金は作業内容や塗料で大きく変動し5万円から10万円以上が目安
- 安い料金にはオーバーラッカーなど理由がある場合も
- ベースの料金はギターより若干高くなる傾向
- DIYには専門的な道具と換気できる作業場所が必須
- 工房選びはウェブサイトの作例や実績で技術力を確認
- 問い合わせへの対応の丁寧さも信頼の指標
- 見積もりの内訳が明確な工房を選ぶ
- 関東や東京には多様な工房があり選択肢が豊富
- サンバースト塗装は職人の高い技術力が求められる
- ヴィンテージギターのリフィニッシュは資産価値を下げるリスクを伴う
- 自分の目的と予算を明確にして総合的に判断することが最も重要