tonex pedalエフェクターボード構築ガイド【完全版】

エフェクター

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IK Multimediaの革新的なアンプシミュレーター、TONEX Pedal。そのリアルなサウンドに惹かれ、自身のペダルボードに組み込みたいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、実際にtonex pedalをエフェクターボードに導入しようとすると、「IK MultimediaのTONEXとは何?という基本から知りたい」「TONEX Pedalは何ができるのか具体的に把握したい」といった疑問が湧いてきます。さらに、ライブで使う際の最適なつなぎ方や、膨大なプリセット一覧の管理方法、アンプへのリターン挿しの効果的な使い方など、実践的な情報も必要です。また、日本語の説明書はどこにあるのか、推奨されるパワーサプライのスペックや、表現力を高めるエクスプレッションペダルの活用法まで、知りたいことは尽きません。この記事では、そんなあなたの疑問をすべて解消し、理想のボードを構築するための知識とテクニックを網羅的に解説します。

この記事のポイント

  • TONEX Pedalの基本機能とAI Machine Modelingの仕組み
  • エフェクターボードへの最適な組み込み方と接続例
  • ライブやレコーディングでの実践的なセッティング術
  • 推奨パワーサプライや拡張ペダルなど周辺機器の選び方

tonex pedalをエフェクターボードへ!基本概要

  • IK MultimediaのTONEXとは何?その仕組み
  • TONEX Pedalは何ができる?多彩な機能
  • すぐに使える公式プリセット一覧
  • 日本語の説明書はどこで入手?
  • 基本的なつなぎ方と接続端子

IK MultimediaのTONEXとは何?その仕組み

ギターナビ・イメージ

「TONEX」とは、イタリアの音響機器メーカーIK Multimediaが開発した、画期的なサウンドモデリング技術の総称です。この技術の核心は、「AI Machine Modeling」と呼ばれる独自のテクノロジーにあります。

これは、人工知能(AI)を用いて、実際のアンプ、キャビネット、エフェクターペダルといった機材の音響特性を非常に高い精度で学習し、デジタルデータ化するものです。従来のアンプシミュレーターがアンプの回路を仮想的に再現する「モデリング」であったのに対し、AI Machine Modelingは実機から出る音そのものをキャプチャーするため、サウンドのニュアンスや弾き心地のレスポンスが驚くほどリアルになります。

この技術によって生成されたサウンドデータは「Tone Model(トーンモデル)」と呼ばれ、TONEXエコシステム内で自在に利用できます。エコシステムは、PC/Mac用のソフトウェア「TONEX」と、今回主役となるハードウェア「TONEX Pedal」や「TONEX One」で構成されています。つまり、自宅のPCでキャプチャーしたり、世界中のユーザーが共有したTone Modelをダウンロードしたりして、それをTONEX Pedalに入れてライブやスタジオに持ち出す、というシームレスな連携が可能です。

プロファイリングとの違いは?

Kemperなどに代表される「プロファイリング」技術と似ていますが、TONEXのAI Machine Modelingは、よりディープな機械学習を用いることで、ゲインを上げた際の歪みの質感やダイナミクスの変化をさらに忠実に再現することを目指している、と言えるでしょう。

TONEX Pedalは何ができる?多彩な機能

guitar magazine・公式

TONEX Pedalは、前述のTone Modelをライブやスタジオで活用するために設計されたペダル型ハードウェアです。その機能は多岐にわたりますが、主に以下のことができるスーパーアイテムと言えます。

Tone Modelのロードと演奏

TONEX Pedalの最も重要な機能は、ソフトウェアで作成・管理しているTone Modelを本体に転送し、演奏できることです。本体には最大150種類のプリセットを保存でき、フットスイッチで瞬時に呼び出すことが可能です。これにより、何十台もの高価なアンプやレアなエフェクターを、この一台で持ち運ぶ感覚が実現します。

高品位な内蔵エフェクト

アンプやキャビネットのサウンドだけでなく、演奏に必要なエフェクトも内蔵しています。ノイズゲート、EQ、コンプレッサーはもちろん、リバーブやディレイといった空間系エフェクトも搭載。これにより、TONEX Pedal一台でサウンドメイクを完結させることも十分に可能です。

VIRキャビネットとIRローダー

IK Multimediaが誇る「VIR™ (Volumetric Impulse Response) キャビネット」技術により、非常にリアルなキャビネットサウンドが得られます。さらに、サードパーティ製のIR(インパルスレスポンス)データもロードできるため、手持ちのIR資産を活かした音作りも楽しめます。

オーディオインターフェース機能

USBでPC/Macと接続すれば、24bit/44.1kHz対応のオーディオインターフェースとしても機能します。これにより、TONEX Pedalで作ったサウンドをそのままDAWソフトに録音でき、自宅でのレコーディング環境をシンプルに構築できます。

これだけの機能がコンパクトなペダルに詰まっているのは驚きですね。まさに自宅での音作りからライブステージまで、ギタリストの活動をシームレスにつなぐハブのような存在です。

TONEX Pedal 主な機能一覧
プリセット数 最大150(50バンク × 3プリセット)
内蔵エフェクト ノイズゲート, EQ, コンプレッサー, リバーブ(5種), ディレイ(2種), モジュレーション(5種)
キャビネット VIR™ キャビネット技術、サードパーティIRローダー対応
オーディオ I/F USB接続、24-bit / 44.1 kHz
その他 MIDI IN/OUT, エクスプレッションペダル入力, ヘッドフォン出力

すぐに使える公式プリセット一覧

HOOKUP・公式

TONEX Pedalを手に入れてすぐに楽しめるのが、本体に収録されている豊富なプリセットです。購入時に付属するソフトウェアのグレードによって数は異なりますが、TONEX Pedalには最上位版である「TONEX MAX」が付属しており、1,000種類以上のプレミアムTone Modelが利用可能になります。

さらに、オンラインプラットフォーム「ToneNET」にアクセスすることで、世界中のTONEXユーザーが作成・アップロードした25,000種類以上ものTone Modelを無料でダウンロードし、自分のペダルに追加できます。これにより、サウンドの選択肢は無限に広がると言っても過言ではありません。

アップデートでプリセットがさらに充実!

2025年4月に公開された無償アップデート「Factory Content v2」により、TONEX Pedalには150種の新規プリセットが追加されました。これらのプリセットは、クリーン(A)、クランチ(B)、リード(C)というようにフットスイッチに割り当てられており、ライブでの即戦力が格段に向上しています。ベーシスト向けのプリセットも追加され、より多くのプレイヤーに対応できるようになりました。

これらのプリセットは、伝説的なビンテージアンプからモダンなハイゲインアンプ、さらには希少なブティックペダルのサウンドまで、非常に多岐にわたります。まずはプリセットを切り替えながら弾いてみるだけで、TONEX Pedalの持つポテンシャルの高さを実感できるはずです。

日本語の説明書はどこで入手?

 ギターナビ・イメージ

多機能なTONEX Pedalを最大限に活用するためには、公式のマニュアル(説明書)を参照することが不可欠です。紙の説明書は同梱されていますが、より詳細な情報が記載されたPDF版の日本語ユーザーマニュアルが公式サイトで公開されています。

この日本語マニュアルは、IK Multimediaの日本公式ウェブサイトからダウンロードできます。製品ページの「マニュアル」セクションやサポートページから簡単に見つけることが可能です。

IK Multimedia公式サイトのマニュアルページはこちら

PDFファイルなので、スマートフォンやタブレットに保存しておけば、スタジオや外出先で操作に迷ったときでもすぐに確認できて非常に便利です。

マニュアルには、基本的な操作方法はもちろん、プリセットの管理方法、グローバル設定の変更、MIDIの活用法など、一歩進んだ使い方が詳しく解説されています。特に、後述するキャビネットのバイパス設定やパフォーマンスモードの切り替えなど、ボードに組み込む上で重要な設定は、一度マニュアルで確認しておくことを強くお勧めします。

基本的なつなぎ方と接続端子

 サウンドハウス・公式

TONEX Pedalをエフェクターボードに組み込む第一歩は、基本的な接続方法を理解することです。本体の背面には、様々な用途に対応するための入出力端子が配置されています。

入力端子

  • INPUT: ギターやベースからのシールドを接続するメインの入力端子です。

出力端子

  • OUTPUT L/R: ステレオ対応の出力端子です。アンプやミキサー、オーディオインターフェースに接続します。モノラルで使う場合は、L端子のみを使用します。
  • HEADPHONES: ヘッドフォンを接続するための端子です。夜間の練習や、外部スピーカーを使わずに音作りをしたい場合に重宝します。

最もシンプルな接続は、ギター → TONEX Pedal INPUT → TONEX Pedal OUTPUT L → ギターアンプのINPUT という流れです。これにより、TONEX Pedalを一般的なエフェクターのように使用できます。

また、ライブでPAに直接信号を送る「ライン接続」の場合は、TONEX Pedal OUTPUT L/R → ミキサー へと接続します。この際、TONEX Pedal内でアンプとキャビネットの両方のTone Modelが有効になっていることを確認してください。これにより、マイクで録ったようなリアルなアンプサウンドをPAから直接出力できます。

自宅練習からライブまで、接続先に応じて柔軟に対応できるのがTONEX Pedalの強みですね。まずはこの基本をマスターしましょう。

理想のtonex pedalエフェクターボード構築術

  • アンプのリターン挿しでの活用法
  • ライブで使う際のセッティング
  • エクスプレッションペダルの接続
  • 最適なパワーサプライの選び方

アンプのリターン挿しでの活用法

TONEX Pedalの真価をさらに引き出す接続方法として、「リターン挿し」が挙げられます。これは、ギターアンプのセンド・リターン端子の「リターン(RETURN)」にTONEX Pedalの出力を接続する方法です。

この接続を行うと、TONEX Pedalからの信号はアンプのプリアンプ部(音色を作る心臓部)をバイパスし、パワーアンプ部(音を増幅する部分)とスピーカーキャビネットに直接送られます。

リターン挿しのメリット

リターン挿しには、「TONEX Pedalで作ったアンプサウンドを、余計な色付けなく、純粋にアンプのパワー部で増幅できる」という大きなメリットがあります。通常のアンプのINPUTに接続すると、TONEXのアンプサウンドと、接続先アンプのプリアンプサウンドが二重にかかってしまい、意図しない音色になりがちです。リターン挿しなら、その問題を回避し、TONEXのTone Modelを忠実に再現できます。

リターン挿しの注意点

この方法を使う際には、TONEX Pedal側でキャビネットシミュレーターをオフにする設定が必要です。なぜなら、音の出口となるのは実機のスピーカーキャビネットなので、TONEX側でキャビネットのシミュレートをしてしまうと、音がこもったり不自然な響きになったりするためです。設定は、ペダルのグローバル設定メニューから簡単に行えます。

このリターン挿しをマスターすれば、ライブハウスやスタジオに常設されている様々なアンプを、自分好みのサウンドを出力するための「パワードスピーカー」として活用できるようになります。

ライブで使う際のセッティング

ギターナビ・イメージ

ライブパフォーマンスでTONEX Pedalを使用する際には、いくつかのポイントを押さえたセッティングが求められます。信頼性と操作性を両立させたシステムを構築しましょう。

PAへのライン出力とステージモニターの両立

理想的なライブ環境では、PA(会場の音響システム)にはキャビネットシミュレーターを含んだリアルなアンプサウンドを送りつつ、ステージ上の自分用のモニタースピーカー(またはギターアンプ)からは演奏しやすい音を出したいものです。

TONEX PedalのL/Rアウトプットを活用し、例えばL OUTからPAへ(キャビシミュON)、R OUTからステージ上のアンプのリターンへ(キャビシミュOFF)といった使い分けは、TONEX Pedal単体ではできません。しかし、後段にスプリッターなどを配置するか、DIボックスのスルーアウトを使えば同様の環境を構築可能です。

事前の音量バランス調整が最重要

ライブで最も重要なのは、クリーン、クランチ、リードなど、使用するプリセット間の音量バランスを事前に完璧に調整しておくことです。リハーサルスタジオなどで、実際にライブで使う音量で各プリセットを切り替え、音量が極端に変わらないように設定を詰めておきましょう。これを怠ると、本番でギターソロの音が引っ込んでしまったり、逆にクリーンが大きすぎたりといったトラブルの原因になります。

MIDIコントローラーとの連携

より複雑なサウンド切り替えを行いたい場合、TONEX PedalのMIDI IN/OUT端子が活躍します。BOSS GT-1000 COREのようなスイッチングシステムやマルチエフェクターをマスターコントローラーとして使用し、MIDIプログラムチェンジ信号を送ることで、TONEX Pedalのプリセットを他のエフェクターと同時に一括で切り替えることができます。これにより、一回のスイッチ操作で「ディレイON+TONEXのリードサウンドに切り替え」といった複雑なアクションが可能になります。

エクスプレッションペダルの接続

ギターナビ・イメージ

TONEX Pedalの表現力をさらに拡張したいなら、エクスプレッションペダルの活用が欠かせません。本体背面にある「EXT. CONTROL」端子に市販のエクスプレッションペダルを接続することで、様々なパラメーターを足元でリアルタイムにコントロールできます。

主に、以下のような使い方が可能です。

  • ボリュームペダル: プリセット全体の音量を滑らかに操作できます。
  • ワウペダル: 内蔵のワウエフェクトをアサインすれば、本格的なワウペダルとして機能します。
  • パラメーターコントロール: ゲインの量、ディレイのフィードバック、リバーブの深さなど、あらゆるパラメーターをアサインして、演奏中にダイナミックな変化を加えることができます。

どんなペダルが使える?

接続には、一般的なTRS(ステレオ)ケーブルを使用します。BOSS EV-30やRoland EV-5など、多くの市販エクスプレッションペダルが対応しています。ペダルによっては極性が異なる場合があるため、TONEX Pedalのグローバル設定でキャリブレーション(調整)を行うことで、最適な動作を得られます。

特に、ゲイン量をコントロールできるように設定しておくと、同じプリセット内でもクリーンからクランチ、さらにリードへとシームレスに歪み量を変化させることができ、演奏の幅が大きく広がります。

 

最適なパワーサプライの選び方

エフェクターボードの心臓部とも言えるパワーサプライの選択は、TONEX Pedalの性能を安定して引き出す上で非常に重要です。TONEX Pedalの電源に関する要求スペックは以下の通りです。

  • 電圧: 9V DC
  • 極性: センターマイナス
  • 消費電流: 320mA

このスペックを満たすパワーサプライを選ぶ必要がありますが、特に注意すべきは「消費電流」です。

アイソレートタイプのパワーサプライを推奨

まず、デジタルペダルであるTONEX Pedalをノイズから守るため、各出力が独立している「アイソレートタイプ」のパワーサプライを選ぶのが基本です。これにより、他のペダルからのデジタルノイズの回り込みを防ぎ、クリーンな電源を供給できます。

供給電流には余裕を持たせる

消費電流が320mAと、一般的なコンパクトエフェクターに比べてやや大きめです。そのため、パワーサプライの各ポートの供給電流が、最低でも320mA、できれば500mA程度の余裕があるポートに接続することが理想的です。電流が不足すると、動作が不安定になったり、予期せぬノイズが発生したりする原因となります。

スペック不足の電源は絶対NG!

供給電流が300mA以下のポートに接続したり、容量の足りないデイジーチェーン(数珠つなぎ)で電源を供給したりすることは絶対に避けてください。ペダルの故障に繋がる可能性もあり、サウンド面でも大きなデメリットしかありません。Strymon OjaiやFender Engine Room LVL8など、大容量のポートを備えた信頼性の高い製品を選びましょう。

電源はサウンドの土台です。せっかくの高品質なTONEXサウンドを損なわないためにも、パワーサプライへの投資は惜しまないようにしたいですね。

最高のtonex pedalエフェクターボードを組む

  • TONEXはAI技術でリアルなアンプサウンドを再現
  • ペダル一つでアンプからエフェクトまでを完結可能
  • 150種類のプリセットを本体に保存できる
  • ToneNETで世界中のサウンドを追加できる
  • 日本語説明書は公式サイトからPDFで入手
  • 基本的なつなぎ方はギターから入力しアンプへ出力
  • リターン挿しでプリアンプとして活用するのが効果的
  • ライブではPA直とステージモニターへの分岐を検討
  • MIDI連携で他のペダルと同期した高度な制御を実現
  • エクスプレッションペダルで表現力が格段にアップ
  • ワウやボリュームペダルとして足元でリアルタイム操作
  • パワーサプライは9Vセンターマイナス320mA以上が必須
  • ノイズ対策にはアイソレートタイプの電源が最も有効
  • コンパクトなサイズ感で多くのボードに組み込みやすい
  • 自宅での練習やレコーディングから本格的なライブまで一台で対応
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