名機として名高いFulltone OCDですが、「生産完了して手に入りにくい」「もう少し安いモデルが欲しい」といった理由から、ocdエフェクターに似てるペダルを探している方も多いのではないでしょうか。
ocdとbd-2のサウンドはしばしば比較されますし、安いブルースドライバーに似てるモデルや、ブルースドライバーの上位互換と言える機種も気になるところです。
この記事では、Fulltone OCDのクローンやocd系エフェクターはもちろん、OD GloveやHotcakeのエフェクターが似てるのか、さらにはBOSSのOD-3やSD-1に似てるサウンドなのかまで、OCDのトランスペアレントな特性にも触れながら、fulltone ocdに似てるエフェクターを網羅的に解説します。
この記事のポイント
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ocdエフェクターに似てるモデルの系統と特徴
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OCDはトランスペアレント系なのか?
まず、Fulltone OCDのサウンドを語る上でよく話題になるのが「トランスペアレント系」という言葉です。ここで言うトランスペアレント系とは、ギターやアンプ本来の音響特性を大きく変えずに、自然にゲインを付加するオーバードライブを指します。
結論から言うと、OCDは完全なトランスペアレント系とは少し立ち位置が異なります。例えば、Paul CochraneのTimmyやVEMURAMのJan Rayのようなペダルは、原音への色付けが非常に少なく、アンプのクリーンサウンドをそのまま歪ませたような音色が特徴です。
一方、OCDは原音のニュアンスをしっかり残しつつも、迫力のある低音域と独特のコンプレッション感という、明確なキャラクターを持っています。特にHP(ハイピーク)モードでは中域が持ち上がり、サウンドに力強い存在感を与えます。このため、「アンプライク(真空管アンプのような)」と評されることは多いですが、味付けの少ない純粋なトランスペアレント系とは区別して考えられています。
OCDの音響特性
OCDは、ギターやアンプの個性を活かしながらも、独自の力強いキャラクターを付加するペダルです。この「原音へのリスペクト」と「明確な個性」のバランスが、多くのギタリストに愛される理由の一つと言えるでしょう。
ocd系エフェクターというジャンル
Fulltone OCDが市場に与えた影響は大きく、「ocd系エフェクター」という一つのジャンルが確立されています。これらのペダルは、OCDのサウンドや設計思想にインスパイアされており、いくつかの共通した特徴を持っています。
主な特徴としては、まずゲイン幅の広さが挙げられます。クリーンブーストに近い軽いクランチから、ハードロックのリフにも対応できる深いディストーションサウンドまで、1台でカバーできる汎用性の高さが魅力です。また、ピッキングの強弱やギター本体のボリューム操作への追従性が高く、プレイヤーの表現力をダイレクトに反映する点も共通しています。
機能面では、OCDに搭載されているHP/LPモードの切り替えスイッチに似た、サウンドキャラクターを変更する機能を持つモデルが多いことも特徴です。これにより、使用するアンプやギターに合わせて、サウンドの質感や周波数特性を微調整できます。
言ってしまえば、単なるコピーではなく「OCDの持つ魅力を、各メーカーが独自の解釈で再構築したモデル」がocd系エフェクターと言えます。そのため、それぞれに個性があり、弾き比べてみると面白い発見がありますよ。
Fulltone OCDのクローンモデル達
Fulltone OCDは2022年に生産を終了しており、中古市場での価格が高騰しています。そのため、そのサウンドを手頃な価格で手に入れたいという需要に応える形で、多くのクローンモデルが登場しました。
クローンモデルは、オリジナルの回路を忠実に再現しようと試みたペダルです。中でも特に有名なモデルをいくつか紹介します。
WARM AUDIO / ODD Box v1
レコーディング機材で定評のあるWARM AUDIOが手掛けたモデルです。コンポーネントにこだわり、オリジナルが持つ複雑な倍音やダイナミクスを忠実に再現しています。サウンドの傾向はオリジナルに非常に近く、特にアンプをドライブさせた時のような飽和感が見事に表現されています。
JOYO / ULTIMATE DRIVE
驚異的なコストパフォーマンスで知られるモデルです。価格は非常に安いですが、そのサウンドはOCDの雰囲気をしっかりと捉えています。特にHP/LPモードの切り替えも搭載しており、低予算でOCDのキャラクターを体験したい場合に最適な選択肢です。
クローンモデルの注意点
クローンモデルはサウンドの再現度が高い一方で、パーツの品質や製造精度によって、本家との間には微妙なニュアンスの違いが存在します。また、ブランドの価値や所有する満足感も考慮すると、一概にクローンが優れているとは言えません。
OD GloveはOCDのクローンか
ELECTRO-HARMONIX社の「OD Glove」は、しばしばOCDのクローンモデルとして言及されますが、実際には「OCDにインスパイアされた、独自の個性を持つペダル」と捉えるのが正確です。
確かに、ゲインを上げていった際の迫力ある低音や、サウンドキャラクターを切り替えるトーンシフトスイッチなど、OCDと共通する要素は多く見られます。しかし、サウンドの質感にはエレハモ特有の荒々しさ、いわゆる「エレハモ臭」が感じられ、OCDの上品な歪みとは少し趣が異なります。
もう一つの大きな違いは、内部スイッチで動作電圧を9Vから18Vに切り替えられる点です。18Vで駆動させると、ヘッドルームが広がり、よりクリアでダイナミックレンジの広いサウンドが得られます。これはオリジナルOCDにはない機能であり、OD Gloveならではの魅力と言えます。
項目 | Fulltone OCD | EHX OD Glove |
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基本キャラクター | アンプライクで上品な歪み | やや荒々しく個性的な歪み |
モード切替 | HP / LPスイッチ | TONE SHIFTスイッチ |
独自機能 | 特になし(バージョンによる差異) | 内部スイッチで9V/18V駆動を切替可能 |
価格帯 | 高価(中古市場) | 手頃 |
このように考えると、OD GloveはOCDの代替品というよりも、OCDとは異なる魅力を持つ選択肢の一つとして評価するのが妥当でしょう。
ocdとbd-2比較、上位互換モデルは
OCDと最も頻繁に比較されるペダルが、BOSSの「BD-2 Blues Driver」です。この2機種は、ゲイン幅が広く、ピッキングニュアンスへの反応性が高いという点で共通しており、多くのギタリストにとって悩ましい選択肢となっています。
サウンドの傾向には明確な違いがあります。OCDが太くパワフルな低中域を特徴とするのに対し、BD-2は高音域に特徴のある「ジャキッ」としたエッジの効いたサウンドが得意です。特にシングルコイルのギターと組み合わせた際の、切れ味鋭いクランチサウンドはBD-2ならではの魅力です。
歪みの質感も異なり、OCDは真空管アンプが飽和するような歪み方をする一方、BD-2はゲインを上げるとファズに近い、やや暴れた質感の歪みになります。
では、「上位互換」という観点ではどうでしょうか。BOSS自身がBD-2をアップグレードした「BD-2W 技 WAZA CRAFT」というモデルを発売しています。これは、オリジナルのBD-2のサウンドを再現したスタンダード・モードに加え、より中域にコシがあり、サステインが豊かなカスタム・モードを搭載しています。音の解像度やノイズの少なさも向上しており、純粋なサウンドクオリティを求めるなら、BD-2Wはまさに上位互換と呼べる存在です。
安いブルースドライバーに似てる製品
BOSS BD-2自体が比較的手頃な価格帯のペダルですが、「さらに安価に、あのジャキっとしたクランチサウンドを手に入れたい」というニーズも存在します。完全に同じサウンドではありませんが、近い方向性のサウンドを持つ、より安価な製品もいくつか市場にあります。
例えば、Effects Bakeryの「Bagel OverDrive」などは、低価格ながらもピッキングに食いつくようなレスポンスの良いドライブサウンドを持っています。BD-2ほど高域が鋭くはありませんが、ニュアンスを活かした演奏を楽しみたい初心者の方には良い選択肢となるかもしれません。
ただし、注意点として、これらの低価格帯ペダルは、本家BD-2が持つ独特の鈴鳴り感や、ゲインを上げた際の絶妙な暴れ感を完全に再現しているわけではありません。あくまで「雰囲気が似ている、コストパフォーマンスに優れた選択肢」と捉えるのが良いでしょう。
価格差は、使用されているパーツの品質や設計のノウハウに起因します。特にピッキングへの追従性やノイズの少なさといった点では、価格相応の違いが出やすいことを理解しておく必要があります。
他にもある?ocdエフェクターに似てる機種
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Hotcakeはエフェクターとして似てる?
Crowther Audioの「Hotcake」も、アンプライクなオーバードライブとして高い評価を得ている名機ですが、OCDと似ているかと問われると、キャラクターはかなり異なります。
Hotcakeの最大の特徴は、真空管アンプのボリュームを上げた際のナチュラルな歪みを彷彿とさせるサウンドです。特にクリーンからクランチにかけての領域では、歪みの輪郭が非常にクリアで、ピッキングの力加減でクリーンとドライブを自在に行き来できます。
一方、OCDはHotcakeに比べると、よりコンプレッション感が強く、中低域に厚みのあるパワフルなサウンドです。また、Hotcakeはゲインを上げていくとファズのような独特の荒々しい歪み方をするのに対し、OCDはディストーションライクな、まとまりのある歪みになります。
共通点と相違点
両者の共通点は「ピッキングニュアンスへの高い反応性」ですが、Hotcakeはより繊細でクリア、OCDはよりパワフルで骨太、という明確な違いがあります。どちらも素晴らしいペダルですが、サウンドの方向性は別物と考えた方が良いでしょう。
BOSSのOD-3に似てるモデルはあるか
BOSSの黄色いオーバードライブの中でも、特に評価が高いのが「OD-3 OverDrive」です。このペダルがOCDと比較されることがあるのは、おそらくその豊かで太い低中域に理由があると考えられます。
OD-3は、BOSS独自のデュアル・ステージ・オーバードライブ・サーキットにより、一般的なオーバードライブを超える豊かなゲインとサステインを特徴としています。歪みの質は非常に滑らかで、サステインが長く、弾きやすいと感じる人が多いサウンドです。
OCDも同様にパワフルな低音を持っていますが、歪みの質感は異なります。OD-3がシルキーで滑らかな歪みであるのに対し、OCDはよりザラつきのある、アンプらしい粗さを感じさせます。そのため、低音の豊かさという点では共通していますが、サウンド全体のキャラクターは似て非なるものです。
もしOD-3の滑らかさとOCDの力強さを両立させたいのであれば、OD-3をメインの歪みにして、後段にクリーンブースターを接続して音圧を稼ぐ、といった組み合わせも面白いかもしれませんね。
定番のSD-1に似てるサウンドとは
IbanezのTS9と並び、オーバードライブの「もう一つのスタンダード」と言えるのがBOSSの「SD-1 SUPER OverDrive」です。このペダルとOCDを比較すると、両者の設計思想の違いが非常によくわかります。
SD-1の最大の特徴は、中音域(ミドル)にフォーカスした、マイルドで粘りのあるサウンドです。この特性により、バンドアンサンブルの中でギターのサウンドが埋もれにくくなります。単体での歪みとして使うよりも、真空管アンプをプッシュして、よりきめ細かく抜けの良い歪みを作り出すブースターとしての使用法が特に有名です。
対してOCDは、SD-1のように特定の帯域を強調するのではなく、低域から高域までワイドレンジに出力するキャラクターです。そのため、単体でメインの歪みとして使用しても十分な音圧と迫力が得られます。
結論として、OCDとSD-1のサウンドは全く似ていません。SD-1に似たサウンドを探すのであれば、IbanezのTS MINIなど、いわゆる「TS系」と呼ばれるペダルから探すのが正解です。
fulltone ocdに似てるエフェクター
ここまで様々なペダルを比較してきましたが、改めて「fulltone ocdに似てるエフェクター」を整理してみましょう。
最もサウンドが近いのは、やはりWARM AUDIO / ODD Box v1に代表される、忠実な再現を目指したクローンモデルです。これらは、オリジナルが持つ複雑な倍音やダイナミクスを体験したい場合に最適です。
ELECTRO-HARMONIX / OD GloveやBOSS / BD-2は、OCDとは異なる個性や得意な音域を持ちつつも、ゲイン幅の広さやピッキングへの反応性といった「スピリット」の部分で共通点が見出せるペダルです。OCDのサウンドを基準としながらも、何か新しいインスピレーションを求めている場合には、これらのモデルを試してみる価値があるでしょう。
最終的には「好み」が重要
エフェクター選びにおいて、スペックや評判はもちろん重要ですが、最終的にはプレイヤー自身の耳と感性が最も信頼できる判断基準となります。この記事を参考に、ぜひ楽器店で実際に試奏してみてください。
ocdエフェクターに似 てるモデル総括
- OCDは完全なトランスペアレント系ではなくアンプライクな特性を持つ
- OCD系エフェクターはゲイン幅が広くピッキングへの反応性が高い
- WARM AUDIOのODD Box v1は忠実なクローンモデルとして評価が高い
- JOYOのULTIMATE DRIVEは低予算でOCDの雰囲気を体験できる
- EHXのOD GloveはOCDに似ているが独自のエレハモらしさを持つ
- OD Gloveは内部スイッチで9Vと18V駆動を切り替えられる点が特徴
- OCDとBOSS BD-2は頻繁に比較されるがサウンドキャラクターは異なる
- OCDは太い低中域、BD-2はエッジの効いた高域が得意
- BD-2の上位互換としてはBOSS BD-2W 技 WAZA CRAFTが挙げられる
- HotcakeはOCDと異なりより繊細でクリアな歪みが特徴
- BOSS OD-3はOCDと同様に豊かな低音を持つが歪みの質は滑らか
- BOSS SD-1は中域に特化したTS系でありOCDとはサウンドが全く似ていない
- エフェクター選びは評判だけでなく実際の試奏で判断することが重要
- OCDの生産完了に伴いクローンやインスパイアされたモデルが増加している
- 各モデルの長所と短所を理解し自分の機材や音楽性に合ったものを選ぶべき