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マルチエフェクターを手に入れたものの、正しいつなぎ方がわからず悩んでいませんか。初心者の方にとって、マルチエフェクターとアンプのつなぎ方や、センドリターンを活用した接続は難しく感じるかもしれません。
また、マルチエフェクターとコンパクトエフェクターのどちらがよいか迷ったり、両者の併用方法について疑問を持つこともあるでしょう。
この記事では、マルチエフェクターの基本的なつなぎ方から、オーディオインターフェースとの接続、さらにはベースにマルチエフェクターを使うメリットまで、あらゆる疑問に答えます。マルチエフェクターの欠点は何ですか?といった気になるポイントにも触れながら、初心者にも分かりやすく、おすすめの活用法を解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
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基本のマルチエフェクターのつなぎ方
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初心者でもわかる接続の基本
ギターナビ・イメージ
マルチエフェクターの接続は、正しい順序を理解すれば決して難しくありません。最も基本的な接続は、ギターからマルチエフェクターへ、そしてマルチエフェクターからアンプへとケーブルをつなぐ方法です。
この接続方法が、エフェクターで加工した音をアンプで増幅して鳴らすための基本形となります。まずはこのシンプルなつなぎ方をマスターすることから始めましょう。
基本的な接続手順
- ギターの出力ジャックとマルチエフェクターの入力(INPUT)端子をシールドケーブルでつなぎます。
- マルチエフェクターの出力(OUTPUT)端子とギターアンプの入力(INPUT)端子をもう1本のシールドケーブルでつなぎます。
- すべてのケーブルが接続されたことを確認してから、マルチエフェクターとアンプの電源を入れます。
電源を入れる順番にも注意が必要です。機材への負荷やノイズ発生を防ぐため、一般的には「エフェクター→アンプ」の順で電源を入れ、「アンプ→エフェクター」の順で電源を切ることが推奨されています。この基本を覚えておけば、機材を安全に扱うことができます。
マルチエフェクターとアンプのつなぎ方
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マルチエフェクターとアンプを接続する際は、アンプ側のどの端子につなぐかが重要です。基本的には、前述の通りアンプのINPUT(インプット)端子に接続します。
この方法は、マルチエフェクターをギターとアンプの間にある「コンパクトエフェクターの集合体」として扱う考え方です。マルチエフェクター内で作り込んだ音を、アンプのプリアンプ部分でさらに音作り(イコライザー調整など)することができます。
接続時の注意点
マルチエフェクターには、アンプシミュレーター機能が搭載されているモデルが多く存在します。アンプシミュレーターとは、様々な有名アンプの音色をデジタルで再現する機能のことです。
もしマルチエフェクター側でアンプシミュレーターをONにする場合、アンプ側のイコライザー(BASS, MIDDLE, TREBLEなど)は基本的にフラット(12時の方向)に設定するのがおすすめです。なぜなら、アンプシミュレーターで作った音を、さらにアンプのプリアンプで加工すると、音が二重に加工されてしまい、意図しないサウンドになる可能性があるためです。
豆知識:出力端子の種類
マルチエフェクターには、モノラル出力(L/MONO)だけでなく、ステレオ出力(R)を備えたモデルもあります。ディレイやリバーブなどの空間系エフェクトでステレオ設定を利用すると、音が左右に広がる立体的なサウンドを出力できます。この場合、アンプを2台使用するか、ステレオ入力に対応したアンプやPAシステムに接続する必要があります。
マルチエフェクターの欠点は何ですか?
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マルチエフェクターは非常に便利ですが、いくつかの欠点や注意点も存在します。これらを理解した上で使用することが、より良い音作りにつながります。
主なデメリットとしては、「音質の劣化懸念」「操作性の複雑さ」「故障時のリスク」の3点が挙げられます。ただし、これらの欠点はモデルの価格帯や技術の進歩によって大きく改善されつつあります。
マルチエフェクターの主なデメリット
- 音質の懸念: 特に安価なモデルでは、複数のエフェクトをデジタル処理する過程で音が痩せたり、解像度が低く感じられたりすることがあります。アナログのコンパクトエフェクターが持つ音の暖かみや太さを求める人には、物足りなく感じられるかもしれません。
- 操作性の複雑さ: 多機能であるがゆえに、設定項目が多く、目的の音にたどり着くまでに時間がかかることがあります。ライブ中に瞬時に特定の設定を変更したい場合など、直感的な操作が難しいモデルも少なくありません。
- 故障時のリスク: 一台に機能が集約されているため、万が一故障すると全てのエフェクトが使用不能になります。コンパクトエフェクターであれば故障した一台だけを交換すれば済みますが、マルチエフェクターの場合は修理に出すか、買い替える必要が出てきます。
これらのデメリットは、特にプロの現場や音質に強いこだわりを持つギタリストから指摘されることが多いです。しかし、近年のマルチエフェクターは音質も操作性も飛躍的に向上しており、多くの初心者や中級者にとってはメリットの方が大きい場合が多いでしょう。
マルチとコンパクトどちらがよい?
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「マルチエフェクターとコンパクトエフェクター、どちらを選べばいいのか?」というのは、多くのギタリストが悩むポイントです。それぞれに長所と短所があり、一概にどちらが優れているとは言えません。自身の目的や環境に合わせて選ぶことが最も重要です。
ここでは、両者の特徴を比較し、どのような人におすすめなのかを解説します。
項目 | マルチエフェクター | コンパクトエフェクター |
---|---|---|
コストパフォーマンス | 高い(一台で多数のエフェクトが手に入る) | 低い(一つずつ揃えると高額になりやすい) |
音作りの幅 | 非常に広い | 組み合わせ次第で無限だが、手間がかかる |
音質 | モデルによる(高級機は非常に高品質) | 一般的に高い(特にアナログモデル) |
操作性 | 複雑な場合がある(階層を潜る必要など) | 直感的(ツマミを回すだけ) |
持ち運び・設置 | 容易(一台で完結し、配線が少ない) | 大変(数が増えると重く、配線も複雑) |
故障リスク | 故障すると全機能が停止 | 故障したペダルのみ交換可能 |
こんな人におすすめ
- マルチエフェクター: これからエフェクターを始める初心者、色々な音を手軽に試したい人、コストを抑えたい人、持ち運びの手軽さを重視する人。
- コンパクトエフェクター: 特定の音に強いこだわりがある人、直感的な操作性を求める人、少しずつ機材を揃えていく楽しみを味わいたい人、プロレベルの音質を追求する人。
マルチエフェクターとコンパクト併用のコツ
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マルチエフェクターとコンパクトエフェクターは、対立するものではなく、それぞれの長所を活かして併用することも可能です。例えば、「歪みはこだわりのコンパクトを使い、空間系はマルチエフェクターで済ませる」といった使い方が一般的です。
ただし、併用する際には接続順が非常に重要になります。間違った順序でつなぐと、ノイズの原因になったり、音質が著しく劣化したりする可能性があるため注意が必要です。
基本的な接続順(シグナルチェーン)
一般的に、エフェクターは以下の順序で接続することが推奨されています。
ギター → (A) 歪み系 → (B) モジュレーション系 → (C) 空間系 → アンプ
- (A) 歪み系: オーバードライブ、ディストーションなど。音の芯を作るエフェクトなので、最初段に置きます。
- (B) モジュレーション系: コーラス、フェイザーなど。歪んだ音に揺らぎを加えるため、歪み系の後に置きます。
- (C) 空間系: ディレイ、リバーブなど。音の残響を作るため、最終段に置くのが基本です。
併用時の接続例
こだわりのオーバードライブ(コンパクト)とマルチエフェクターを併用する場合、以下のような接続になります。
ギター → オーバードライブ → マルチエフェクターのINPUT → マルチエフェクターのOUTPUT → アンプ
この場合、マルチエフェクター内では、コーラスやディレイといったモジュレーション系・空間系エフェクトのみを使用し、内蔵の歪み系エフェクトはOFFにします。これにより、アナログの歪みの良さを活かしつつ、デジタルの便利さを両立できます。
歪みペダルなどのアナログエフェクターの音は、マルチエフェクターのデジタル回路を通ることで音が変化(劣化)してしまうことがあります。これを解決する高度な接続方法が、次で解説する「センドリターン」です。
応用的なマルチエフェクターのつなぎ方
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センドリターンでのつなぎ方とは?
センドリターンとは、アンプに搭載されているエフェクトループ機能のことです。これを利用することで、アンプのプリアンプ部とパワーアンプ部の間にエフェクターを接続できます。特に、ディレイやリバーブといった空間系エフェクトをクリアにかける際に非常に有効な接続方法です。
センドリターンの仕組みとメリット
通常、ギターの信号は「プリアンプ(音色を作る部分)→ パワーアンプ(音を増幅する部分)」という順で流れます。アンプのINPUT端子にエフェクターを接続すると、エフェクト音がプリアンプで歪まされてしまうことがあります。
センドリターンを使えば、プリアンプで作った歪みサウンドを一度アンプの外(センド)へ出し、空間系エフェクターを通して、再びアンプ(リターン)に戻すことができます。これにより、歪みサウンドの芯はそのままに、クリアで綺麗なディレイやリバーブ効果を得られるのです。
センドリターン接続の手順
- ギターをアンプのINPUT端子に接続します。(歪みはアンプで作る場合)
- アンプのSEND端子からマルチエフェクターのINPUT端子へケーブルを接続します。
- マルチエフェクターのOUTPUT端子からアンプのRETURN端子へケーブルを接続します。
この接続では、マルチエフェクターは空間系・モジュレーション系専用機として使用します。マルチエフェクター内蔵のアンプシミュレーターや歪み系エフェクトはOFFに設定してください。
補足:4ケーブルメソッド
さらに高度な接続方法として「4ケーブルメソッド」があります。これは、ギターからの信号をマルチエフェクターに入れ、歪み系はアンプの前に、空間系はアンプのセンドリターンに、というようにエフェクトの種類に応じて信号経路を分割する複雑な接続方法です。対応しているマルチエフェクターが必要ですが、コンパクトとアンプの歪みを自在に組み合わせることが可能になります。
オーディオインターフェースとのつなぎ方
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近年のマルチエフェクターの多くは、オーディオインターフェース機能を内蔵しています。これは、マルチエフェクターをパソコンにUSBケーブルで接続するだけで、ギターの音を直接録音(宅録・DTM)できるようにする機能です。
この機能を使えば、別途オーディオインターフェースを購入する必要がなく、手軽に高音質なギター録音環境を構築できるという大きなメリットがあります。
接続方法と設定のポイント
接続は非常にシンプルで、マルチエフェクターのUSB端子とパソコンをUSBケーブルでつなぐだけです。その後、パソコンのDAWソフト(録音ソフト)側で、音声の入出力をマルチエフェクターに設定します。
注意点:LINE入力とHi-Z入力
もし、マルチエフェクターをオーディオインターフェース機能を使わずに、単体のオーディオインターフェースに接続して録音する場合、接続する端子に注意が必要です。
マルチエフェクターからの出力は「ラインレベル」という信号の強さになっています。そのため、オーディオインターフェース側の入力は、ギターを直接つなぐための「Hi-Z(ハイインピーダンス)」や「INST」ではなく、「LINE」に設定してください。間違った端子に接続すると、音が割れたり、適切な音量で録音できなかったりする原因となります。
マルチエフェクターのオーディオインターフェース機能を使えば、本体で作ったアンプシミュレーターやエフェクトの音をそのまま劣化させることなくデジタルデータとして録音できるため、非常に効率的です。
ベースに使うメリットはなんですか?
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マルチエフェクターはギタリストだけの機材ではありません。ベーシストにとっても多くのメリットがあり、近年ではベース専用に設計された高機能なモデルも多数販売されています。
ベース用マルチエフェクターは、ベースの低い周波数帯域に最適化されたエフェクトが多数収録されており、一台でサウンドメイクの幅を大きく広げることができます。
ベーシストにとっての主なメリット
- 音作りの多様性: コンプレッサーやプリアンプはもちろん、コーラス、オクターバー、シンセベースといった特殊なエフェクトまで一台で完結します。曲のセクションごとに音色を瞬時に切り替えるといったことも簡単です。
- アンプシミュレーターの活用: 有名なベースアンプのサウンドをシミュレートする機能は、特に自宅での練習や録音で威力を発揮します。ヘッドホンでも臨場感のあるアンプサウンドで練習でき、宅録ではマイク録り不要で本格的なベースラインを録音可能です。
- 便利な機能の統合: 多くのモデルには、チューナー、リズムマシン、ルーパー機能などが搭載されています。これらは日々の練習を非常に効率的で楽しいものにしてくれます。
- DI(ダイレクトボックス)機能: 一部のモデルにはDI出力が搭載されており、ライブハウスやレコーディングスタジオでミキサーに直接、ノイズの少ない安定した信号を送ることができます。
これらの理由から、特にライブ本数が多く、様々なジャンルを演奏するベーシストや、自宅での音作り・練習環境を充実させたい方にとって、ベース用マルチエフェクターは非常に強力なツールとなります。
初心者にもおすすめのマルチエフェクター
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これからマルチエフェクターを始めたい初心者の方にとって、数あるモデルの中からどれを選べば良いか迷うのは当然です。ここでは、コストパフォーマンス、操作性、音質のバランスに優れた、初心者におすすめしやすい定番モデルの考え方を紹介します。
選ぶ際のポイントは、「自分がどんな音を出したいか」「どんな機能を使いたいか」をある程度イメージすることです。
選び方のポイント
- 予算を決める: マルチエフェクターは1万円台のエントリーモデルから、10万円を超えるプロ仕様のモデルまで様々です。まずは無理のない予算を決めましょう。最近では2〜3万円台でも非常にクオリティの高いモデルが手に入ります。
- 操作性を確認する: 直感的に操作できるツマミが多いモデルや、ディスプレイが見やすいモデルは初心者にも扱いやすいです。可能であれば楽器店で実際に触ってみるのが理想です。
- 必要な機能を考える: 練習に便利なルーパーやリズムマシン機能、宅録もしたいならオーディオインターフェース機能など、自分が使いたい機能が搭載されているかを確認しましょう。
例えば、BOSSの「GT-1」やZOOMの「G1 FOUR / G2 FOUR」シリーズなどは、長年にわたり多くの初心者に選ばれてきた定番モデルです。比較的手頃な価格でありながら、豊富なエフェクトと実践的なサウンドを備えており、最初の一台として失敗が少ない選択肢と言えるでしょう。まずはこういった定番モデルから検討してみるのがおすすめです。
最初から高価なハイエンドモデルに手を出すのも一つの選択ですが、まずはエントリークラスのモデルでエフェクターの基本的な使い方や音作りの楽しさを学び、自分のこだわりが出てきた段階でステップアップを検討するのが、結果的に無駄のない機材選びにつながることが多いです。
最適なマルチエフェクターのつなぎ方とは
この記事では、マルチエフェクターの様々なつなぎ方について解説しました。最適な接続方法は一つではなく、あなたの機材、出したい音、そして演奏する環境によって変化します。基本を理解した上で、色々な方法を試し、自分だけのベストなセッティングを見つけ出すことが重要です。
- マルチエフェクターの基本はギターとアンプの間に接続する
- 電源を入れる順番はエフェクターが先、切る順番はアンプが先
- アンプシミュレーター使用時はアンプのEQをフラットにする
- マルチの欠点には音質、操作性、故障リスクがある
- 近年のモデルは技術進歩で欠点が大きく改善されている
- コンパクトエフェクターは直感的で音質に優れるが高コスト
- 初心者はまずマルチエフェクターで音作りの基礎を学ぶのがおすすめ
- コンパクトと併用する際は歪み系を先に接続する
- センドリターンはアンプの歪みと空間系エフェクトを両立させる接続法
- センドリターンは空間系エフェクトをクリアにかけるのに有効
- オーディオインターフェース機能付きモデルは宅録に便利
- 単体インターフェースに繋ぐ際はHi-ZではなくLINE入力を使用する
- ベース用マルチは音作り、練習、DI機能などメリットが多い
- 初心者におすすめのモデルはコストと操作性のバランスで選ぶ
- 接続方法に正解はないため色々試して理想の音を探求することが大切