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ギター選びで「ギターロングスケールが弾きにくい」と感じた経験はありませんか?ロングスケールのギターは見た目もかっこよく、多くのプロギタリストが愛用していますが、いざ手に取ってみると、どうにもしっくりこない、と感じる方も少なくありません。
この記事では、そもそもロングスケールの長さとはどのようなものか、そしてギターロングスケールのメリットについて詳しく解説します。また、ギターはミディアムスケールだと弾きやすいという話や、その一方で考慮すべきギターミディアムスケールのデメリットにも触れていきます。
さらに、ロングスケールでの速弾きは可能なのか、特殊なエクストラロングスケールギターとは何か、といった一歩踏み込んだ疑問にもお答えします。最終的に、あなたに合ったおすすめのロングスケールギターやおすすめのミディアムスケールギターを見つけるためのヒントを提供し、弾きにくさを克服するための一助となることを目指します。
この記事のポイント
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ギターロングスケールが弾きにくいと感じる原因
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ロングスケールの長さと基本的な特徴
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ギターの「スケール」とは、ナット(ヘッド側の弦の支点)からブリッジのサドル(ボディ側の弦の支点)までの長さを指し、これを「弦長」とも呼びます。ロングスケールは、この弦長が比較的長いタイプのギターのことを言い、具体的には25.5インチ(約648mm)が基準です。このスケールは、フェンダー社のストラトキャスターやテレキャスターに採用されていることから、「フェンダースケール」とも呼ばれています。
ロングスケールの最も大きな特徴は、弦に強い張力(テンション)がかかることです。弦がピンと張られることで、音にハリと輝きが生まれます。特に高音域はキラキラとした明るいサウンドになり、低音域は輪郭がはっきりとしたタイトな響きになる傾向があります。このため、バンドアンサンブルの中でも音が埋もれにくく、クリアで抜けの良いトーンを求めるギタリストに好まれます。
ロングスケールの基本
- 長さ:25.5インチ(約648mm)
- 代表モデル:フェンダー ストラトキャスター、テレキャスター
- 音の特徴:明るくクリアで、ハリのあるサウンド
ただし、この強いテンションは演奏性にも影響を与えます。弦を押さえるのに少し力が必要になったり、チョーキング(ベンディング)が硬く感じられたりすることが、弾きにくいと感じる一因にもなっています。
ロングスケールでの速弾きは難しい?
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「ロングスケールは速弾きに不向きなのでは?」という疑問を持つ方は少なくありません。確かに、ミディアムスケールに比べてフレット間の距離が広く、弦のテンションも強いため、指を大きく広げるストレッチフレーズや、軽いタッチでの演奏には慣れが必要です。
しかし、一概に速弾きが難しいとは言い切れません。むしろ、ロングスケールには速弾きにおけるメリットも存在します。強いテンションのおかげで、ピッキングに対する弦の反応が速く、一音一音の粒立ちが良くなります。これにより、速いパッセージでも音が濁りにくく、明瞭なフレージングが可能になるのです。
もちろん、テクニカルなプレイを追求するギタリストの中には、より軽い力で演奏できるミディアムスケールを好む人もいます。ですが、イングヴェイ・マルムスティーンのように、ストラトキャスター(ロングスケール)で驚異的な速弾きを披露するギタリストも数多く存在します。結局のところ、速弾きのしやすさはスケール長だけでなく、個人の手の大きさや練習方法、セッティングにも大きく左右されると言えるでしょう。
もしロングスケールで速弾きに挑戦したい場合は、普段より一段階細いゲージの弦を張ったり、弦高を少し低めにセッティングしたりすると、演奏の負担が軽減されて弾きやすくなりますよ。
ギターロングスケールのメリットを解説
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ロングスケールが弾きにくいと感じる側面がある一方で、それを補って余りある多くのメリットが存在します。ギタリストがロングスケールを選ぶ主な理由を理解することで、その魅力がより深くわかるでしょう。
メリット1:チューニングの安定性
ロングスケールの最大のメリットの一つは、チューニングが安定しやすいことです。弦のテンションが強いため、激しいピッキングやチョーキングを行っても音程が狂いにくくなります。特に、ドロップDチューニングやさらに低い音程に設定するダウンチューニングの際に、その恩恵は顕著です。テンションが低いミディアムスケールでダウンチューニングを行うと、弦がダルダルになり音がぼやけがちですが、ロングスケールなら低い音程でも弦の張りを保ち、輪郭のあるサウンドを維持できます。
メリット2:サウンドの明瞭さとサスティーン
前述の通り、強いテンションはサウンドに直接的な影響を与えます。音が非常にクリアで、アタック感が強調されるため、カッティングやリフプレイでキレのある演奏が可能です。また、弦が長く振動し続けるため、サスティーン(音の伸び)が豊かになる傾向もあります。これにより、ロングトーンを活かした表現力豊かなソロプレイが可能になります。
ロングスケールの主なメリット
- チューニングが安定しやすく、特にダウンチューニングに強い
- サウンドが明瞭で、音の立ち上がりが速い
- 豊かなサスティーンが得られ、表現の幅が広がる
これらのメリットから、ロックやポップス、ファンク、メタルなど、幅広いジャンルでロングスケールギターが愛用されています。
ギターはミディアムスケールだと弾きやすいのか
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ロングスケールと比較されることが多いのが、ミディアムスケールです。一般的に、ミディアムスケールはロングスケールよりも弾きやすいと言われますが、その理由を見ていきましょう。
ミディアムスケールの弦長は24.75インチ(約629mm)で、ギブソン社のレスポールやSGなどに採用されていることから「ギブソンスケール」とも呼ばれます。ロングスケールより約2cm短い設計です。
このわずかな差が、演奏性に大きな違いを生み出します。弦長が短い分、同じチューニングでも弦のテンションが緩やかになります。これにより、弦を押さえるのに必要な力が少なくなり、チョーキングもスムーズに行えます。
また、フレットとフレットの間隔もわずかに狭くなります。特にローフレットでのコードフォームや、指を大きく広げるストレッチフレーズで、その弾きやすさを実感できるでしょう。こうした理由から、手の小さい方やギター初心者の方には、ミディアムスケールがしばしば推奨されます。
「ロングスケールは指が届かない…」と悩んでいる方は、一度ミディアムスケールのギターを試奏してみることをおすすめします。驚くほど楽に感じられるかもしれません。
ギターのミディアムスケールのデメリットとは
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弾きやすさで定評のあるミディアムスケールですが、メリットばかりではありません。ロングスケールと比較した場合のデメリットや注意点も理解しておくことが、公正なギター選びにつながります。
最大のデメリットは、ロングスケールに比べてサウンドのハリやテンション感が若干弱い点です。テンションが緩いため、音の立ち上がりが少し柔らかくなり、ロングスケール特有の「パキッ」としたアタック感は得にくい傾向があります。これは暖かく甘いトーンが求められるブルースやジャズではメリットになりますが、鋭いサウンドが欲しいロックなどでは物足りなく感じる可能性もあります。
ミディアムスケールの注意点
ダウンチューニングを行うと、弦のテンションがさらに下がるため、弦が暴れてピッチが不安定になったり、サドルでビビりが発生したりすることがあります。ヘヴィなジャンルで多用する場合は、通常より太いゲージの弦を張るなどの対策が必要です。
また、チューニングの安定性に関しても、ロングスケールに一歩譲る側面があります。もちろん、ギター自体の精度やパーツの品質にもよりますが、理論上はテンションが高い方がチューニングは安定しやすいため、この点はデメリットとして挙げられることがあります。
特殊なエクストラロングスケールギターも存在する
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一般的なロングスケールやミディアムスケール以外にも、さらに弦長を伸ばした「エクストラロングスケール」や「スーパーロングスケール」と呼ばれるギターが存在します。これらは主に、多弦ギター(7弦や8弦)や、極端なダウンチューニングを想定して設計されています。
弦長はメーカーやモデルによって様々ですが、26.5インチや27インチ、中には30インチ近いバリトンギターと呼ばれるものまであります。弦長を長くする最大の目的は、低い音程にチューニングしても弦のテンションを適切に保ち、音の輪郭を失わないようにするためです。
現代のメタルやジェントといったジャンルでは、標準的なチューニングより何音も低い設定が常用されます。このような状況で通常のロングスケールギターを使用すると、弦が緩すぎて正確なピッチやタイトなリフを刻むのが困難になります。そこで、エクストラロングスケールが活躍するわけです。
ファンフレット(マルチスケール)
近年では、低音弦側が長く、高音弦側が短くなるようにフレットが斜めに打ち込まれた「ファンフレット(マルチスケール)」という仕様も人気です。これにより、各弦に最適なテンション感を与え、低音の明瞭さと高音の弾きやすさを両立させています。
ただし、弦長が長くなるほど弦のテンションはさらに強くなり、フレット間も広がるため、演奏には相応の慣れとパワーが求められます。一般的な音楽ジャンルを演奏する上では、あまり選択肢には入らない特殊なスケールと言えるでしょう。
ギターロングスケールが弾きにくい人のための選び方
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スケール長以外の弾きやすさに関わる要素
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「ロングスケールは弾きにくい」「ミディアムスケールは弾きやすい」と一括りにされがちですが、ギターの演奏性はスケール長だけで決まるわけではありません。他にも様々な要素が複雑に絡み合っています。もしスケールで悩んでいるなら、以下のポイントにも注目してみましょう。
要素 | 解説 |
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ネックの形状(シェイプ) | ネックの握り心地を左右する最も重要な要素の一つです。薄いUシェイプ、丸みのあるCシェイプ、V字に近いVシェイプなど様々。同じスケールでもネックが薄ければ、手が小さい人でも格段に弾きやすく感じます。 |
ナット幅 | ナット部分の指板の幅のことです。幅が狭い(ナローネック)と弦と弦の間隔も狭くなり、コードが押さえやすくなります。逆に幅が広いと、指が太い人でも隣の弦に触れにくくなります。 |
指板R(ラディアス) | 指板の湾曲の度合いを指します。Rが小さい(ヴィンテージタイプに多い)と丸みが強く、コードが押さえやすいとされます。Rが大きい(モダンなタイプに多い)と指板が平らに近くなり、チョーキング時の音詰まりがしにくく、弦高を低く設定できます。 |
弦のゲージ(太さ) | 弦の太さはテンションに直接影響します。同じギターでも、細いゲージの弦を張ればテンションは下がり、弾き心地は柔らかくなります。 |
弦高 | 弦とフレットの間の隙間のことです。弦高が低いほど押弦に必要な力は少なくなりますが、低すぎるとビビりの原因になります。適切な調整が重要です。 |
これらの要素は互いに影響し合っています。例えば、ロングスケールでもネックが薄く、ナット幅が狭いモデルであれば、ミディアムスケールの太いネックのモデルより弾きやすく感じることも十分にあり得ます。スペックだけを見るのではなく、実際に楽器を握ってみて、総合的に判断することが大切です。
おすすめのロングスケールギターを紹介
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ロングスケールの魅力を最大限に味わえる、代表的で人気のあるモデルを2つ紹介します。これからロングスケールに挑戦したい方は、まずこれらのモデルから試してみるのが良いでしょう。
Fender Stratocaster(フェンダー ストラトキャスター)
「エレキギターの王道」とも言える、世界で最も有名なモデルの一つです。3つのシングルコイルピックアップを搭載し、シャープでキレのあるサウンドから、甘くメロウなトーンまで、5段階のセレクターで多彩な音作りが可能です。ボディには体にフィットするコンター加工が施されており、立っても座ってもバランスが良く、演奏性が高いのも特徴。ロック、ブルース、ポップス、ファンクなど、ジャンルを選ばずに活躍できる万能選手です。
Fender Telecaster(フェンダー テレキャスター)
ストラトキャスターと並ぶフェンダーの代表モデルで、ソリッドボディエレキギターの元祖とも言われています。2つのシングルコイルピックアップから生み出される、シンプルでストレート、そして歯切れの良いサウンドが魅力です。特にリアピックアップのジャキっとした高音域は独特で、カントリーやロックンロール、パンクロックなどで多くのギタリストを虜にしてきました。構造がシンプルな分、ピッキングのニュアンスがダイレクトに音に反映されるため、プレイヤーの腕が試されるギターでもあります。
最近では、IbanezやYAMAHAなど、様々なブランドからモダンな仕様を取り入れたロングスケールのギターが多数販売されています。伝統的なモデルにこだわらず、幅広い選択肢から探してみるのも面白いでしょう。
おすすめのミディアムスケールギターを紹介
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弾きやすさとパワフルなサウンドを両立させたい方には、ミディアムスケールのギターがおすすめです。こちらも代表的な2つのモデルを紹介します。
Gibson Les Paul(ギブソン レスポール)
フェンダー・ストラトキャスターと人気を二分する、ロックギターの象徴的存在です。ハムバッカーピックアップを2基搭載し、太く、暖かく、そしてパワフルなサウンドが特徴。特に、深く歪ませた時の粘りのあるサスティーンは、ハードロックやブルースロックに最適です。ボディは厚く重量がありますが、その質量が重厚なサウンドを生み出しています。多くの伝説的なギタリストに愛されてきた、憧れのモデルです。
Gibson SG(ギブソン エスジー)
レスポールと並ぶギブソンの人気モデル。薄く軽量なボディと、ハイフレットまで楽に手が届くダブルカッタウェイのデザインが特徴で、非常に高い演奏性を誇ります。サウンドはレスポールと同様にハムバッカーによるパワフルなものですが、ボディ材や構造の違いから、よりブライトでエッジの効いたロックなトーンを持っています。取り回しの良さから、ステージで激しく動き回るギタリストにも人気があります。
Gibson直系のブランドであるEpiphone(エピフォン)からは、より手頃な価格でレスポールやSGが販売されています。初心者の方が最初の1本として選ぶのにもぴったりですよ。
手が小さい人向けのロングスケール攻略法
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「どうしてもロングスケールのギターが弾きたいけれど、手が小さくて自信がない…」という方も諦める必要はありません。いくつかの工夫をすることで、演奏のハードルを下げることが可能です。
1. 軽いゲージの弦に交換する
最も手軽で効果的な方法です。多くのロングスケールギターは出荷時に「.010-.046」や「.009-.042」といったゲージの弦が張られていますが、これを「.008-.038」などのさらに細いゲージに交換するだけで、弦のテンションが下がり、驚くほど押さえやすく、チョーキングも楽になります。
2. チューニングを半音下げる
全ての弦を半音下げてチューニングする方法も有効です。これも弦のテンションを緩和する効果があります。バンドで演奏する場合は他のメンバーとの兼ね合いが必要ですが、一人で練習する際にはぜひ試してみてください。
3. ネックが薄いモデルを選ぶ
前述の通り、弾きやすさはネックの形状に大きく左右されます。同じロングスケールでも、近年のモダンなギターには薄いネックシェイプを採用したモデルが多くあります。IbanezのRGシリーズやYAMAHAのPacificaシリーズなどは、薄くて握りやすいネックで定評があり、手が小さい人でも快適に演奏できる可能性が高いです。
4. 正しいフォームを意識する
無理に手を広げようとすると、手首を痛める原因になります。左手の親指をネックの裏側の中央に置き、手首をまっすぐに保つ「クラシックフォーム」を意識すると、指の可動域が広がり、スムーズな運指が可能になります。日々の練習で少しずつ意識してみましょう。
これらの方法を組み合わせることで、ロングスケールの弾きにくさはかなり克服できます。自分に合った工夫を見つけて、憧れのギターを楽しみましょう。
ギターロングスケールが弾きにくい悩み総まとめ
この記事では、ギターのロングスケールが弾きにくいと感じる理由から、そのメリット、他のスケールとの比較、そして弾きやすさを向上させるための具体的な方法までを解説してきました。最後に、記事の要点をリスト形式でまとめます。
- ロングスケールは弦長が25.5インチ(約648mm)のギター
- 代表モデルはフェンダーのストラトキャスターやテレキャスター
- 弦のテンションが高く、音が明るくクリアなのが特徴
- 高いテンションと広いフレット間隔が弾きにくい原因になることがある
- ロングスケールのメリットはチューニングの安定性とサウンドの明瞭さ
- ダウンチューニングでも音の輪郭を保ちやすい
- ミディアムスケールは弦長が24.75インチ(約629mm)
- テンションが緩やかでフレット間も狭いため弾きやすいとされる
- ミディアムスケールのデメリットは音のハリが若干弱いこと
- エクストラロングスケールは主に多弦やヘヴィなダウンチューニング用
- 弾きやすさはスケール長だけでなくネック形状やナット幅も重要
- 手が小さい人は軽い弦への交換や半音下げチューニングが有効
- ネックの薄いモデルを選ぶのも攻略法の一つ
- 最終的にはスペックだけでなく実際に試奏して選ぶことが最も大切
- 弾きにくさは工夫と練習で克服できる