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「エフェクターを使わないギタリストは、一体どんな音作りをしているのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。多くのギタリストが足元にエフェクターボードを広げる中、ギターとアンプだけで勝負するスタイルを貫く人々がいます。
彼らはなぜ、彩り豊かなエフェクトの世界から距離を置くのでしょうか。この記事では、なぜ歪みエフェクターいらないと考えるのか、そしてアンプ直ギタリストがどのようにして魅力的なサウンドを生み出すのか、その哲学と具体的なテクニックを深く掘り下げていきます。
レスポールはエフェクターいらないという説の真相から、ジャズギターのアンプ直やブルースでエフェクターがいらないと言われる文化的な背景、さらにはエフェクターボードいらないことのメリットまで、多角的に解説します。
また、象徴的な存在であるアベフトシのエフェクターに対する考え方や、エフェクターを多用しないバンドの実例、意外と多いエフェクターなしで弾ける曲も紹介。エフェクターを使わないギタリストの世界を、一緒に探求していきましょう。
この記事のポイント
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エフェクターを使わないギタリストの哲学とは
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なぜ歪みエフェクターいらないと言われるのか
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ギタリストが歪みエフェクターを必要としない理由は、ギター本体とアンプが持つ本来の音を最大限に活かしたいという哲学にあります。
エフェクターは音を手軽に加工できる便利な機材ですが、その一方でギターが持つ木材の鳴りやピックアップの特性、そしてアンプの真空管が作り出す自然な飽和感といった、機材固有のキャラクターを覆い隠してしまう側面も持ち合わせています。歪みエフェクターを使わないギタリストは、これらの要素を直接コントロールし、より純粋なサウンドを追求するのです。
また、演奏技術そのものでサウンドをコントロールする点も大きな理由として挙げられます。ピッキングの強弱や角度、弦に触れる指のニュアンスで歪みの深さや音色を変化させることは、ギタリストにとって表現の根幹をなす部分です。エフェクターに頼らず、自身のタッチで音を操ることにこそ、演奏の醍醐味があると考えているのです。
ポイント
歪みエフェクターを使わない選択は、単なる機材の省略ではなく、ギター、アンプ、そして自身のタッチという三位一体で音を創造するという、積極的な音作りへの姿勢の表れと言えるでしょう。
もちろん、これにより音作りの選択肢が限られたり、演奏環境によっては理想のサウンドを得にくくなったりするデメリットも存在します。しかし、その制約の中でいかに自分らしい音を出すかという挑戦こそが、彼らを惹きつける魅力なのかもしれません。
機材が減りエフェクターボードいらないという利点
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エフェクターボードが不要になることは、ギタリストにとって多くの実用的なメリットをもたらします。最も分かりやすい利点は、機材の物理的な負担が劇的に軽減されることです。
複数のエフェクターとそれらを固定するボード、電源供給用のパワーサプライ、パッチケーブルなどを合わせると、かなりの重量と大きさになります。ライブハウスやスタジオへの移動において、この負担がなくなるだけで、心身ともに軽やかになるでしょう。
ギターケースとアンプヘッドだけ、あるいはギター1本でスタジオに入る手軽さは、一度体験するとやめられなくなりますよ。
機材のシンプル化は、セッティングやトラブルシューティングの面でも有利に働きます。
セッティングとトラブルからの解放
接続するケーブルが少なくなるため、ライブ前のセッティング時間は大幅に短縮可能です。また、音が出ないといったトラブルが発生した際も、原因の特定が非常に容易になります。エフェクターボードの場合、パッチケーブルの断線やパワーサプライの不調など、原因となりうる箇所が多く、特定に時間がかかるケースも少なくありません。
エフェクターボードが不要になる主なメリット
- 可搬性の向上:移動時の荷物が減り、身体的な負担が軽減される。
- 迅速な設営:セッティングがギターとアンプを繋ぐだけで完了する。
- トラブル耐性:機材トラブルの原因特定が容易になり、解決も早い。
- コスト削減:エフェクターや関連機材の購入・維持費用がかからない。
一方で、注意点もあります。当然ながら、ディレイやリバーブといった空間系のエフェクトや、コーラスなどのモジュレーション系エフェクトは使用できません。曲の再現性や表現の幅を重視する場面では、このシンプルさがデメリットとして働く可能性も考慮しておく必要があります。
レス ポールは本当にエフェクターいらないのか
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「レスポールはエフェクターがいらない」という言葉を耳にすることがありますが、これはギターの持つ特性に由来する一面的な見方と言えます。
レスポールは、マホガニーボディとハムバッカーピックアップの組み合わせにより、中音域が豊かで太く、粘りのあるサステイン(音の伸び)が特徴です。この特性から、アンプに直接接続するだけで、十分に存在感のあるパワフルなサウンドを得やすいのです。
特に、Marshallアンプのようなブリティッシュ系のアンプと組み合わせると、アンプのゲインを上げるだけで、多くの人がイメージする王道のロックサウンドが完成します。ギター本体のボリュームノブを絞ればクリーンに近い音色も作れるため、手元でのコントロールだけで幅広い表現が可能になるのです。これが、「レスポールならエフェクターは不要」と言われる大きな理由です。
注意点
しかし、これは「エフェクターが不要」という意味ではなく、「エフェクターがなくても成立させやすい」と解釈するのが適切です。全てのジャンルや楽曲に対応できるわけではありません。
例えば、U2のThe Edgeのような符点8分ディレイを駆使したサウンドや、カッティングを主体とした軽快なサウンドを作りたい場合、レスポール単体では限界があります。このような場合には、ディレイやコンプレッサー、イコライザーといったエフェクターが表現の幅を大きく広げてくれるでしょう。
結論として、レスポールはアンプ直でもその魅力を十分に発揮できるポテンシャルの高いギターですが、エフェクターを組み合わせることで、さらに多彩なサウンドメイクが可能になるのです。ギタリストが求める音楽性によって、エフェクターの必要性は変わってきます。
アンプ直ギタリストの音作りの秘訣
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アンプ直で多彩な音色を操るギタリストは、エフェクターの代わりにギター本体の機能を極限まで活用しています。彼らの音作りの秘訣は、見過ごされがちなギターのポテンシャルを引き出すことにあります。
主なコントロール方法は、以下の3つに集約されます。
1. ボリュームノブによる歪み量の調整
これは最も基本的かつ重要なテクニックです。アンプをクランチ(少し歪んだ状態)に設定しておき、ギター本体のボリュームノブを操作します。
ボリュームを最大にすればアンプからドライブサウンドが引き出され、逆に絞っていくと歪みが減ってクリーンなトーンに変化します。この操作一つで、バッキングからソロまで、音色のグラデーションを滑らかに表現できるのです。演奏中に細かく調整することで、足元のスイッチでは不可能な繊細なニュアンスを生み出します。
2. トーンノブによる音質の変化
トーンノブは、多くのギタリストが常に全開にしていることが多いですが、アンプ直の達人にとっては重要な音作りツールです。トーンを絞ると高音域がカットされ、丸く甘いサウンドになります。
例えば、リアピックアップの硬い音を少し和らげたい時や、ジャズのようなメロウなフレーズを弾きたい時に効果を発揮します。ボリュームノブとの組み合わせで、音の硬さや太さを自在にコントロールするのです。
トーンノブを少し絞るだけで、耳に痛い高音域が抑えられ、バンドアンサンブルに馴染む使いやすい音になることも多いんですよ。
3. ピックアップセレクターとピッキングの組み合わせ
フロント、リア、そしてミックスポジションのキャラクターを瞬時に切り替えることで、曲の展開に合わせた音色変化を生み出します。
さらに、ピッキングの強弱が加わります。強く弾けばアンプがよりドライブし、アタックの強い音に。弱く弾けば歪みが抑えられ、優しい音になります。これらのギター本体の機能と、人間的なタッチの組み合わせこそが、アンプ直ギタリストのサウンドの源泉となっているのです。
アベフトシのエフェクターに対する考え方
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THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのギタリストであったアベフトシ氏は、極限まで機材を削ぎ落したスタイルで知られており、そのエフェクターに対する考え方も非常にシンプルでした。
彼の足元に置かれていたのは、基本的にワウペダル(VOX V847など)とチューナー(BOSS TU-12)のみで、歪みや空間系といった音色を加工するエフェクターは一切使用していませんでした。彼のサウンドの核は、あくまでギター(主にseen製のテレキャスターカスタム)とアンプ(主にMarshall JCM900やFender The Twin)の直接的な関係性の中にあったのです。
豆知識:アベフトシ氏の特異なアンプセッティング
彼のMarshallアンプのセッティングは非常に有名で、Trebleを0、MiddleとBassを10、Presenceを0に設定していたと言われています。高音域を極端にカットし、中低音域を最大にすることで、あの硬質で塊のような独特のカッティングサウンドを生み出していました。
アベフトシ氏にとってエフェクターは、音色を「加える」ものではなく、ごく限定的な用途で「使う」ものでした。ワウペダルも、飛び道具としてではなく、特定の楽曲でフィルター効果を得るために踏む程度であり、彼のプレイの大部分はエフェクターを介さない純粋なアンプ直のサウンドです。
このスタイルは、彼の代名詞であるマシンガンのような高速カッティングのキレと精度を、一切の遅延や脚色なくスピーカーから出力するための、必然的な選択だったと言えるでしょう。彼の機材構成は、エフェクターに頼らずとも、ギターの腕とアンプのセッティングだけで唯一無二のサウンドは作れるという事実を雄弁に物語っています。
実例で見るエフェクターを使わないギタリスト
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ジャズギターのアンプ直という伝統的スタイル
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ジャズの世界では、ギターをアンプに直接接続する「アンプ直」が伝統的なスタイルとして根付いています。これには、音楽的な思想と、演奏環境に起因する現実的な理由の両方が関係しています。
音楽的に見ると、ジャズギターでは楽器本来の持つ温かみのあるクリーンな音色が非常に重視されます。フルアコースティックギター(フルアコ)に代表されるジャズギターの豊かで深みのある生鳴りを、ありのままに増幅させることが理想とされるのです。エフェクターによる音の加工は、このナチュラルなトーンを損なう可能性があるため、敬遠される傾向にあります。
また、ジャズギタリストは、ロックギタリストのように音色を頻繁に切り替えるのではなく、ピッキングのタッチや指使い、そしてギター本体のボリュームやトーンの調整によってサウンドに表情をつけます。これも、エフェクターを必要としない大きな理由の一つです。
演奏環境もアンプ直スタイルの一因
ジャズの演奏現場は、ライブハウスだけでなく、小規模なバーやカフェ、レストランなども多く、必ずしも音響設備が整っているわけではありません。そのような環境では、機材をシンプルに保つことで、セッティングを迅速に行い、予期せぬ機材トラブルのリスクを減らすという現実的なメリットがあるのです。
もちろん、現代のジャズギタリストの中には、リバーブやディレイ、ループペダルなどを効果的に使用するプレイヤーも増えてきています。しかし、その根底には、まず「アンプ直で良い音を出す」という基本があり、エフェクターはあくまで補助的な味付けとして捉えられていることが多いと言えるでしょう。
ブルースでエフェクターがいらないと言われる背景
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ブルースというジャンルにおいて「エフェクターは不要」という考え方が根強いのは、その音楽が生まれた歴史的背景と、理想とされるサウンドに深く関わっています。
初期のブルースマンたちは、そもそもエフェクターという機材が存在しない時代に活動していました。彼らのサウンドは、ギターと、ボリュームを上げたことで自然に歪み始めたチューブ(真空管)アンプだけで作られていたのです。この、アンプが悲鳴を上げる寸前のような、張りがあって温かいドライブサウンドこそが、ブルースギターの原点であり、今なお多くのギタリストが追い求める理想のトーンとなっています。
そのため、ブルースの世界では、エフェクターで人工的に歪みを作るよりも、アンプそのものをドライブさせて得られるナチュラルな歪みが至高である、という価値観が強く残っているのです。
ブルースセッションなどでは、ギタリストの交代をスムーズにするために、エフェクターの使用が制限されている場所も少なくありません。
しかし、現代の音楽シーンにおいては、この考え方も少しずつ変化しています。
現代ブルースにおけるエフェクターの役割
ライブハウスの音量規制や、常設アンプの性能によっては、アンプだけで理想の歪みを得ることが難しい場面も多々あります。そのような状況で、オーバードライブやブースターといったエフェクターが重宝されます。これらは、アンプの歪みを補助したり、ソロの時に音量を持ち上げたりする目的で、あくまで「アンプの音を活かす」ために補助的に使われることが多いです。
結果として、「ブルースにエフェクターはいらない」というのは、そのルーツに根差した理想論であり、現代では状況に応じてエフェクターを賢く活用するのが現実的なスタイルと言えるでしょう。
エフェクターを多用しない有名バンドの実例
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エフェクターに頼らず、ギター、アンプ、そして卓越した演奏技術で独自のサウンドを確立したバンドは数多く存在します。彼らのスタイルは、機材のシンプルさがパワフルでストレートな音楽性に直結する好例と言えるでしょう。
ここでは、エフェクターをほとんど、あるいは全く使用しないことで知られる代表的なバンドをいくつか紹介します。
バンド名 | 主なギタリスト | スタイルの特徴 |
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AC/DC | アンガス・ヤング / マルコム・ヤング | Gibson SGやGretschをMarshallアンプに直結。チューナーすら介さない究極のシンプル構成で、ロックンロールの骨格を体現するリフを刻み続けます。 |
The Rolling Stones | キース・リチャーズ | Fender TelecasterをFender系アンプに繋ぐのが基本。アンプの歪みとギターのボリューム操作で、唯一無二のルーズで粘りのあるロックサウンドを生み出します。 |
The Beatles (初期) | ジョン・レノン / ジョージ・ハリスン | 特に活動初期は、VOXアンプのナチュラルなサウンドが主体。エフェクターに頼らない、楽曲と演奏そのものの魅力で世界を席巻しました。 |
ザ・ブルーハーツ | 真島昌利 | パンクロックの初期衝動を体現する、ストレートで飾り気のないギターサウンドが特徴。エフェクターを多用せず、楽曲の持つエネルギーを直接伝えます。 |
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT | アベフトシ | 前述の通り、ワウとチューナー以外は使用しないスタイル。ギターとアンプのみで生み出される、鋭利なカッティングサウンドは伝説的です。 |
これらのバンドに共通しているのは、機材の少なさを補って余りある、強烈な個性と演奏力です。彼らの音楽は、エフェクターがなくてもギターサウンドがいかに魅力的であり得るかを証明しています。
練習になるエフェクターなしで弾ける曲の紹介
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エフェクターを使わずに演奏できる名曲は、洋楽・邦楽を問わず数多く存在します。これらの曲を練習することは、ピッキングのニュアンスやリズムキープといった、ギタリストとしての基礎体力を養うのに最適です。
エフェクターによるごまかしが効かないため、自身の演奏のアラが浮き彫りになりますが、それを乗り越えることで確かな実力が身につきます。
ポイント
シンプルな構成の曲は、ギター本来の音色や、リフそのものの格好良さを再認識させてくれます。まずは一曲、完璧にコピーすることを目指してみましょう。
以下に、初心者からでも挑戦しやすく、エフェクターなしで楽しめる代表的な楽曲をいくつか紹介します。
曲名 | アーティスト名 | 特徴・練習のポイント |
---|---|---|
Smoke On The Water | Deep Purple | ギタリストなら誰もが知る超有名なリフ。パワーコードに近い形で構成されており、シンプルながらも正確なリズムで弾く練習になります。 |
小さな恋のうた | MONGOL800 | 主にパワーコードで構成される邦楽の定番曲。速い8ビートのストロークを、リズムを崩さずに弾き続ける持久力が試されます。 |
LAYLA (いとしのレイラ) | Derek and the Dominos | エリック・クラプトンの情熱的なリフが印象的な楽曲。ギターのボリューム操作による音色変化など、アンプ直の表現力を学ぶのに最適です。 |
ロビンソン | スピッツ | アルペジオが美しい楽曲。エフェクターなしのクリーンな音で、一音一音を綺麗に鳴らす練習に適しています。 |
Hotel California | Eagles | 印象的なギターリフとソロが魅力。クリアな音色で、メロディアスなフレーズを正確に弾くテクニックが求められます。 |
これらの曲を通じて、エフェクターがなくてもギター演奏は十分に楽しいということを、ぜひ体感してみてください。
まとめ:エフェクターを使わないギタリストの魅力
- エフェクターを使わないギタリストはギター本来の音を重視する
- 演奏技術そのものでサウンドをコントロールする哲学を持つ
- ピッキングのニュアンスで歪みや音色を表現する
- 機材がシンプルになり移動やセッティングが楽になる
- エフェクターボードが不要になりコストやトラブルが減る
- レスポールはアンプ直でも成立させやすいポテンシャルを持つ
- 音作りの秘訣はギター本体のボリュームとトーンノブの活用にある
- アベフトシ氏はワウとチューナー以外使わないスタイルを貫いた
- ブルースの理想はアンプをドライブさせたナチュラルな歪みにある
- AC/DCやローリングストーンズはアンプ直スタイルの代表格である
- エフェクターを多用しない有名バンドは日本にも多数存在する
- エフェクターなしで弾ける有名曲は練習に最適である
- 制約の中で音を追求する挑戦そのものに魅力がある
- 最終的にエフェクターを使うか否かは個々の音楽性によって決まる
*ジャズの世界ではアンプ直が伝統的なスタイルとして根付いている