ギターのタッピング奏法、かっこいいですよね。エディ・ヴァン・ヘイレンのような華麗なプレイに憧れて練習を始めた人も多いかなと思います。
ですが、いざ挑戦してみると「あれ?なんだか音が小さい…」と悩んでいませんか? ピックで弾く音に比べて、タッピングの音だけが極端に小さくて、フレーズが埋もれてしまう。これはタッピング練習者が必ず一度はぶつかる「壁」かもしれませんね。
音が小さいと、せっかくのフレーズも迫力が出ませんし、何より弾いていて気持ちよくないですよね。アンサンブル(バンド)の中では、ベースやドラムの音に埋もれてしまって、何を弾いているのか伝わらない…なんてことにもなりかねません。その悩み、すごく分かります。
でも、安心してください。ギターのタッピングで音が小さいという問題は、弾き方のコツと、ちょっとした機材のセッティングで見違えるように改善できるんです。
この記事では、なぜタッピングの音が小さくなるのかという物理的な理由から、音量を稼ぐための具体的なやり方、サステイン(音の伸び)を伸ばすための練習方法、そしてコンプレッサーやイコライザーといったエフェクターを使った音作りのコツまで、私が試してきた対策を詳しく紹介していきます。もちろん、タッピング上達には欠かせないノイズを防ぐためのミュートのやり方も大事なポイントですね。
この記事を読み終える頃には、あなたのタッピングサウンドが、もっとクリアで力強いものになるヒントが見つかるはずですよ。
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この記事のポイント
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ギターのタッピングで音が小さいのは弾き方が原因
機材やエフェクターに頼る前に、まず見直したいのが「弾き方」そのものです。ギターのタッピングで音が小さいと感じる根本的な原因は、もしかしたら弦に与えている物理的なエネルギーが不足していることにあるかもしれません。アンプから出る音(電気的な音)を大きくする前に、まずはギター本体から出る「アコースティックな音量(生音)」を最大化することが、クリアで力強いサウンドへの一番の近道かなと思います。ここでは、そのための技術的なコツを見ていきましょう。
タッピングのやり方と物理的な音の限界
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まず大前提として、タッピングはピック弾きに比べて物理的に音量が小さくなりやすい奏法です。これは、あなたの筋力や才能の問題ではなく、純粋な物理法則の問題なんですね。
なぜかというと、ピックで弦を弾く(ピッキング)のは、弦を「横方向」に大きく引っ掻いて揺らす動作ですよね。これにより、弦は大きく振幅(揺れの幅)し、長く振動し続けます。
これに対して、タッピングは指で弦をフレットに叩きつける「縦方向」の動作がメインになります。言ってみれば、ハンマーで叩くようなイメージです。弦を縦に叩きつけるだけだと、横揺れのピッキングに比べて、どうしても弦の振幅(揺れの幅)が小さく、持続力(サステイン)も短くなりがちです。
これが、タッピングの音が物理的に小さくなる根本的な理由、「入力エネルギーの絶対的な不足」なんです。このどうしようもない物理的な限界を理解することが、技術と機材の両面から対策を立てるための出発点になります。
右手のタッピングは二指結合がコツ
「じゃあ、もっと強く叩けばいいんだ!」となりますが、人差し指1本だけで力いっぱい叩き続けるのは結構大変ですし、指も痛めてしまうかも。それに、力むとリズムが乱れたり、音が安定しなかったりしますよね。
そこでおすすめしたいのが、「二指結合タッピング」というテクニックです。
これは、タッピングする右手の人差し指に、中指を添えて(人差し指の上に中指を乗せるイメージで)2本分の力で叩く方法です。こうすることで、指の「質量」と「安定性」が格段に増し、1本の指で叩くよりもずっと強いインパルス(衝撃)を弦に伝えることができます。
アンプを通さず、生音で人差し指1本の場合と二指結合の場合を弾き比べてみると、音量やアタック感の違いがはっきり分かると思いますよ。最大音量が必要な決めフレーズや、ロングトーンを効かせたいリードプレイでは、この二指結合がかなり効果的だと私は思います。
指の使い分け戦略
とはいえ、常に二指結合でなければいけないわけではありません。フレーズの要求に応じて使い分けるのが現実的ですね。
- 人差し指(単独):初心者の練習や、比較的シンプルなフレーズ。
- 中指(単独):ピックを持ったままタッピングするスタイル(エディ・ヴァン・ヘイレンなど)の場合。ピックの持ち替えが不要になるので実用的です。
- 二指結合:音量とサステインを最大限に稼ぎたい、ここぞという時のリードプレイ。
自分のプレイスタイルやフレーズに合わせて、最適な指使いを見つけてみてください。
左手の押弦力と正確なミュート
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タッピングというと右手の動きに注目しがちですが、実は左手の押弦力も同じくらい重要です。左手はハンマリング・オンやプリング・オフを担当することが多いですが、この左手の音が弱いと、フレーズ全体が貧弱に聴こえてしまいます。
左手の押さえが弱いと、せっかく右手で強く叩いても音がぼやけてしまい、立ち上がりが曖昧になってしまいます。結果として「音が小さい」と感じる原因になるんですね。左手もしっかりと、指板に対して垂直に、強固に弦を押さえる意識が大切です。
ミュートを怠るとノイズ地獄に
ただし、ここでタッピング最大の難関とも言える問題が出てきます。打鍵力(叩く力)や押弦力を上げると、音量と一緒にノイズも増大しやすくなるんです。
意図しない弦が共振したり、「ギュッ」「キュッ」という摩擦音や、開放弦の「ボーン」という不要な音が出たり…。せっかく音量を稼いでも、ノイズまみれでは音が濁ってしまい、クリアに聴こえませんよね。
タッピングの音量アップとノイズ抑制は、常にセットで考えるべき「諸刃の剣」なんです。
両手を使った多角的ミュート技術
このノイズ問題を解決するには、左右両方の手をフル活用した「多角的なミュート」が必須になります。
- 左手によるミュート:主に人差し指を使います。弾いている弦よりも上の弦(低音弦側)は、人差し指の指先を少し立てて軽く触れてミュートします。弾いている弦よりも下の弦(高音弦側)は、人差し指の指の腹を寝かせるようにして、触れてミュートします。
- 右手によるミュート:タッピングする手の付け根(手のひらの小指側、空手チョップするあたり)で、弾かない弦全体を広く覆うように軽く触れます。特に低音弦側のミュートに有効ですね。
このミュートのコツは、どちらも「押さえつけない」こと。あくまで「軽く触れている状態」をキープするのが、サステインを殺さずにノイズだけを抑えるポイントです。この力加減は本当に絶妙で、習得するにはかなりの練習が必要ですが、クリアなタッピングには絶対に欠かせない技術ですよ。
タッピングの練習はメトロノームで
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タッピングの音量や音の粒立ちが安定しない原因の一つに、「リズムの乱れ」があるかもしれません。
高速なフレーズに挑戦すると、焦ってリズムが走ったり(前ノリ)、逆にモタったり(後ノリ)しがちです。自分ではジャストのタイミングで弾いているつもりでも、この微妙なリズムのヨレが、打鍵の強弱のムラにつながり、フレーズ全体のダイナミクスが不均衡になって、結果として音が不明瞭に聴こえがちなんです。
これを矯正するには、メトロノームを使った練習がやっぱり一番ですね。ゆっくりなテンポから始めて、一音一音のタイミングと音量を安定させることを意識しながら、正確なリズムで叩けるように練習しましょう。正確なリズムで弾けるようになると、不思議と音量も安定してきます。
客観的なフィードバック(録音)の活用
さらに、自分の演奏を録音して客観的に聴き返すことも強くおすすめします。
今はスマホの録音アプリでも十分な音質で録れます。弾いている最中は気づかなくても、録音した音を聴いてみると、「ここでリズムがヨレてるな」「この音だけ極端に小さいな」「あ、ここでノイズが出てる…」といった問題点がはっきり分かりますよ。
この「客観的な耳」を持つことが、上達への最短ルートかもしれませんね。
具体的な練習ドリル(アクセントの意識)
練習ドリルとしては、例えば16分音符の3音フレーズ(ポリリズム風パターン)で、3音目に来る右手のタッピング音を、意識的にアクセントとして強く(大きく)弾く練習などが効果的です。フレーズの中に意図的に抑揚(アクセント)をつけることで、タッピング音がクリアに聴こえるようになります。
爪の手入れもノイズ対策の基本
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これは基本中の基本ですが、意外と見落としがちなポイントです。
タッピングする指の爪が長いと、弦に当たった時に「カチッ」という不要なアタックノイズが発生しやすくなります。これが音の立ち上がりを不自然にし、サステインを阻害する原因にもなるんですね。
クリアなタッピングサウンドのためには、深爪にする必要はありませんが、指板に対して垂直に叩いたときに、爪より先に「指の肉」が弦を捉えるくらいに、爪は短く整えておくのが推奨ですね。
ギターのタッピングで音が小さい悩みを機材で補強
さて、弾き方を改善して物理的な音量を最大化したとしても、やはりタッピングは構造的に音が小さいテクニックです。ピック弾きとの音量差を完全に埋めるのは、なかなか難しいかもしれません。
ここからは、その「音量差」を積極的に埋めて、アンサンブルの中でも突き抜ける「リード楽器」としてのサウンドを作るための、エフェクターを使った「電気的な補正」について見ていきましょう。タッピングにおいて、機材による補正は「味付け」ではなく「サウンドを成立させるための必須の処理」だと私は考えています。
タッピングに必須のエフェクターと順番
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タッピングの音を実用レベルに引き上げるために、特に重要なエフェクターは「コンプレッサー」と「イコライザー(EQ)」です。この2つがサウンドの核になります。
そして、エフェクターは繋ぐ順番(シグナル・チェーン)も非常に重要です。音を「整えて」「加工し」「響かせる」という流れで組むのが基本ですね。
推奨シグナルチェーン(順番)
- コンプレッサー(音の粒を揃え、サステインを稼ぐ)
- イコライザー (EQ)(音の周波数を調整し、明瞭度を上げる)
- コーラスなど(揺らし系)
- ディレイ(やまびこ)
- リバーブ(残響)
まず音のダイナミクスを整え(コンプ)、音色を最適化し(EQ)、その後に空間系のエフェクトで広がりを加える、という流れが最も効果的かなと思います。(エフェクターの基本的な接続順については、ギターエフェクターの接続順と基本ルールの記事でも詳しく解説しています)
なぜこの順番が重要なのか?
この順番にはちゃんと理由があります。
- コンプ → EQ:まずコンプレッサーでタッピングの不安定な音量を均一化します。この「整った素材」に対して、イコライザーで音色を加工(カットやブースト)する方が、はるかに狙った音作りがしやすいんです。
- EQ → 空間系:イコライザーで「これだ!」という音色を確定させた後に、ディレイやリバーブで響きを付加します。もし先に空間系をかけると、響きごとコンプで潰されたり、EQで加工されたりして、不自然なサウンドになりがちです。
音作りの「元(入力)」を整えてから「加工」し、最後に「仕上げ」をする、という料理と同じ流れですね。
コンプレッサーで音の粒を揃えサステインを
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コンプレッサー(コンプ)は、タッピングサウンドの「安定化」に欠かせない、最重要エフェクターの一つです。
タッピングはどうしても音符ごとのアタックの強さにムラが出やすいですよね。左手のハンマリングは強いけどプリングが弱い、右手のタッピング音だけ突出する…など。コンプレッサーは、設定した一定以上の音量(しきい値)を超えた音を圧縮し、小さい音を持ち上げることで、ダイナミクス(音量の幅)を意図的に狭めてくれます。
これにより、フレーズ全体の粒立ちが揃い、音量が一定に保たれるんです。
設定のコツは、音を「少しつぶし気味」にすること。リミッターのようにカチカチにするのではなく、弾いていて「あ、音量が揃ってきたな」と感じる程度が良いかなと思います。(コンプレッサーの基本的な使い方については、ギター用コンプレッサーの基本的な使い方と設定の記事も参考にしてみてください)
サステインを稼ぐという最大の役割
そしてもう一つの重要な役割が、「サステイン(音の伸び)を稼ぐ」ことです。タッピング音は減衰(音が小さくなる)のが早いのが悩みですが、コンプレッサーは減衰し始めた音のレベルを人工的に持ち上げ、音の持続時間を延長させてくれます。
これが聴覚的には「音量が上がった」「音が伸びる」という感覚に直結します。「サステインを多めに」設定するのが、タッピングサウンドの一般的なセオリーですね。
コンプのかけすぎには注意
ただし、コンプレッサーは便利な反面、かけすぎには注意が必要です。サステインを上げすぎると、音を持ち上げる過程で「サー」というノイズ(ヒスノイズ)まで一緒に持ち上げてしまい、ノイジーなサウンドになることがあります。
また、アタックを潰しすぎると、タッピング特有の「カチッ」としたアタック感が失われ、のっぺりとした音になることも。パラメーターを微調整しながら、ノイズとアタック感のバランスが良いポイントを探ってみてください。
イコライザーはローカットとハイブースト
コンプレッサーで安定させた信号を、次にイコライザー(EQ)で「タッピングに最適な音色」に加工します。ここがサウンドの明瞭度(クリアさ)を決める最重要ポイントかもしれません。
タッピングのEQ設定の基本原則は、ピック奏法で得られるような豊かな低音をあえて犠牲にしてでも、極端なクリアネスとアタックを優先する、ズバリ「ローカット&ハイブースト」です。
1. ロー(低音域)の処理:大幅にカット
タッピングにおいて、低音域(50〜200Hzあたり)は、不要な共振ノイズや、左手や右手が弦に触れる際の「ゴソッ」というノイズの原因になりがちです。
さらに、アンサンブルの中ではベースやバスドラムが担当する帯域でもあるため、ここが被るとサウンド全体が「濁り」ます。これを思い切ってカット(ローカット)することで、サウンド全体の「濁り」が取れてタイトになり、他の帯域がクリアに聴こえるようになります(ヘッドルームの確保)。
2. ハイ(高音域)の処理:積極的に強調
タッピング特有の「カチッ」という鋭いアタック音や、弦がフレットに当たる際の金属的な倍音成分は、高音域(2kHz以上)に多く含まれています。
ここを積極的に持ち上げる(ハイブースト)ことで、音が空間に突き抜けるようになり、「シャープでクリアな」音色が得られます。これぞタッピング、というサウンドですね。
3. ミドル(中音域)の調整:存在感の核
ハイを強調しすぎると、音が「細く」「キンキン」してしまいがちです。そこで重要になるのが、ギターの「芯」や「存在感」を担うミドル(中音域:500Hz〜2kHzあたり)です。
ここはカットしすぎず、むしろ「やや持ち上げる」ように設定すると、フレーズの輪郭がしっかりして存在感が出やすいですよ。(イコライザーの各帯域の役割については、ギター用イコライザーの基本的な使い方と周波数帯域の目安もご覧ください)
タッピングサウンド最適化のための推奨EQ設定(目安)
パラメトリックEQを想定した設定の目安です。グラフィックEQの場合は、近い周波数帯で調整してみてください。
| 帯域 | 周波数目安 | 推奨調整 | 狙いと理論的背景 |
|---|---|---|---|
| ロー (Low) | 50-200Hz | 大幅にカット | 濁り、共振ノイズ、帯域干渉を排除し、タイトさを出す。 |
| ミドル (Middle) | 500Hz-2kHz | やや持ち上げる | ギターの存在感とアタックの芯を強調する。 |
| ハイ (High) | 2kHz以上 | 強調する | クリアさ、倍音成分を際立たせ、ミックスで突き抜けさせる。 |
※これはあくまで一般的な目安です。使用するギター(ピックアップの種類)やアンプによって最適なポイントは変わるため、必ずご自身の機材で音を出しながら微調整してください。
ディレイでフレーズの流れを補強する
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タッピングは1本の弦上でフレーズが展開することも多く、構造上、音が途切れやすい側面があります。この「音と音の隙間」を自然にカバーし、フレーズに滑らかさを与えてくれるのがディレイです。
「ディレイ・タイムを314ms付近に設定する」といった具体的な提案もありますが、これは特定のBPM(テンポ)での話かもしれませんね。基本的には、曲のテンポに合わせて(BPM同期)、符点8分音符や8分音符などに設定するのが使いやすいかなと思います。
高速なパッセージでもディレイ音が適度に隙間を埋めてくれることで、フレーズに連続性が生まれ、演奏全体が滑らかに聴こえるようになります。
ディレイ設定のコツ
- フィードバック(繰り返し回数):あまり多くしすぎると、音が濁ってフレーズが不明瞭になります。1〜2回、長くても3〜4回程度はっきり聴こえて、すっと消えていくくらいがクリアさを保つコツです。
- ミックスレベル(音量):原音よりもしっかり小さく設定しましょう。あくまでタッピングの原音を補助し、「流れ」を補強するのが目的です。ディレイ音が目立ちすぎないように注意ですね。
空間系で音の細さをカモフラージュ
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最後にコーラスやリバーブといった空間系エフェクトです。これらは必須ではありませんが、音に広がりと奥行きを与え、EQでローをカットしたことによる「音の細さ」をカモフラージュするのに役立ちます。
ただし、どちらも「あまり深く掛けない」のが、タッピングサウンドにおける鉄則だと私は考えています。
コーラスの注意点
コーラスは音を揺らして広がりを出しますが、揺れを深くしすぎると、せっかくEQで強調した音のアタック感が損なわれたり、ピッチ(音程)感が曖昧になったりして、クリアネスが低下してしまいます。あくまで「ほんのり広がりを感じる」程度に留めるのが良いですね。
リバーブの注意点
リバーブも同様に、エフェクトレベルが大きすぎると音が遠くに引っ込んでしまい、かえって存在感がなくなってしまいます。タッピングの鋭いアタックもぼやけてしまいますよね。ホールのような深い残響ではなく、あくまで「控えめな空間の奥行き」を演出し、音の細さをカバーする程度が望ましいです。
ギタータッピングの音が小さいという悩みの解決策
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ここまで、ギターのタッピングで音が小さいという悩みについて、技術面と機材面の両方から、私なりの対策を詳しく見てきました。
結論として、タッピングの音量問題を解決するには、単一の方法ではなく、複数の要素をバランスよく組み合わせる必要があると、私は思います。
- 技術面:二指結合タッピングで物理的な入力エネルギーを最大化し、同時に両手を使った多角的なミュートでノイズを徹底的に抑え込む。
- 機材面(コア処理):コンプレッサーで音の粒とサステインを整え、イコライザー(EQ)で低音域を大幅にカットし、高音域を積極的に強調して、タッピング特有の明瞭さとアタックを付与する。
この「技術」と「音作り」の二本柱が、タッピングサウンドを支える両輪です。
忘れがちな「パッチレベル」の事前補正
そして、もう一つ実用的なテクニックとして、マルチエフェクターやスイッチャーなどを使っている場合、タッピング専用のパッチ(プリセット)を作るなら、あらかじめマスターボリュームを少し上げておくことを強く推奨します。
タッピングは物理的に入力が小さいので、他の奏法用パッチ(例:バッキングリフ用、クリーンアルペジオ用など)よりも、パッチレベル自体を+3dBから+6dB程度高く設定しておくんです。
こうすることで、演奏中にブースターを踏んだりボリュームペダルを操作したりしなくても、ピッキングからタッピングに移行した際の音量差をあらかじめ電気的に解消でき、演奏中のストレスがかなり減りますよ。
最後は「環境」に合わせた微調整
もちろん、この記事で紹介した機材の設定は、あくまで一般的な目安です。最終的なサウンドは、使用するギター(ピックアップがシングルかハムか)、アンプの特性、そして練習するスタジオやライブハウスの音響特性によって大きく変わってきます。
設定を固定化せず、その時々の状況に合わせて臨機応変にEQや空間系の掛かり具合を微調整する耳と能力こそが、常にクリアで適切な音量を実現するための鍵かなと思います。
タッピングの音量問題の解決は、これら「打鍵力」「ミュート」「コンプレッション」「イコライジング」そして「事前補正」の、全ての要素の最適なバランスの上に成立します。ぜひ、この記事を参考に、あなたの環境で「一番気持ちいい」タッピングサウンドを見つけてみてください。
この記事が、あなたのタッピング上達のヒントになれば嬉しいです!


